読書日和

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「読書日和」備忘録

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中学三年生でした。

『読書日和』の4月号で紹介した、奥田亜希子『青春のジョーカー』
主人公は「中学二年」と書いたけどそれは間違いで、
実は、中学三年生でした。

本文にしっかり書いてあるだけでなく、帯にも表記がある。
3回も読んだんだけど、なんで読み間違えたんだろう。

奥田さん、すみませんすみません。








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# by dokusho-biyori | 2018-05-01 06:32 | サワダのひとりごと | Comments(0)

江夏の21球

プロ野球・広島東洋カープの顔とも言える衣笠祥雄さんの訃報が届いた。
衣笠選手の特別なファンという訳ではないし、カープファンですらないのだけど、
あーなんだか、プロ野球が元気だった時代が、過去になって、
また少し遠ざかっちゃったな、という気はする。

そして思い出すのが山際淳司のデビュー作にして
スポーツノンフィクションの金字塔「江夏の21球」(『スローカーブを、もう一球』所収)。
今、我が家の書庫(って言うか、押入れ)をさんざん探したんだけど見つからないので、
以下、過去に何度か読んだ記憶だけで書きます。
故に、細かいところで不正確かも知れません(山際さん、すみません)。

時は1979年の秋。
プロ野球でセ・リーグの覇者とパ・リーグの覇者が対決する日本シリーズ。
この年、対戦するのは広島東洋カープと近鉄バッファローズ。
その最終戦である第7戦。
第7戦までもつれているということは、即ち双方3勝3敗。
この一戦が文字通り、雌雄を決する関ヶ原。

試合はカープが1点をリードしたまま、9回の裏、バッファローズ最後の攻撃。
バッファローズに2点以上取られたら、サヨナラでバッファローズの優勝。
1点取られて同点に追い付かれたら延長戦、0点に抑えれば、カープの優勝。
という、野球ファンならシビレるしかない場面。

そこでカープのリリーフエース江夏豊は、ヒットと四球で無死満塁のピンチを招く。
が、シーズン中何度となく修羅場をくぐりぬけてきた彼は、動じない。
筈だった。

ところが、彼はマウンドから、ある情景を目撃する。
カープのブルペンで、次のリリーフがピッチング練習を始めていたのだ。

このシーズン、江夏は大車輪と言っていい活躍をしていた。
毎日のようにリリーフのマウンドに立ち、毎日のように際どい勝ちを拾って来た。
お蔭で、彼の肩はボロボロだった。
にも関わらず、次のリリーフを準備するということは。

ベンチは江夏を信頼していない……と、彼の目には映った。

そして彼は、どうにでもなれ! と自棄になる。
ここでマウンドを下ろされるぐらいなら、こんなチーム辞めてやる。
とまで、思いつめる。

一塁手の衣笠祥雄がマウンドに駆け寄ったのは、まさにそんな瞬間だった。
そして彼は、江夏に向かって一言告げる。

「俺も、お前と同じ気持ちだ」

今シーズンはお前のお蔭で勝ち進んで来たんだ。
お前抜きでは、この日本シリーズはあり得なかった。
ならば、たとえ打たれようとも、最後までお前にマウンドを任せたい。
勝つにしろ負けるにしろ、お前に全てを任せるつもりだ。

多分、衣笠はそんな意味を込めて「お前と同じ気持ちだ」と言ったんだろう。
そして、江夏は吹っ切れた。
今や伝説となった、カーブでのスクイズ外し→ゲッツーの後、
最後の打者を三振に取り、カープに球団史上初の優勝をもたらした。
その21球の心理戦を綿密に追った作品が「江夏の21球」。

確か『Sports Graphic Number』の創刊号に載ったのだと思う。
衣笠が登場するのは、前述したほんの一瞬。
にも関わらず、衣笠にダンディズムを感じ取る読者は、俺だけでは無い筈だ。

だから何やねん? という話ではない。
衣笠選手の訃報を聞いて、真っ先に思い出したのが「江夏の21球」だったと、
ただそれだけの話だ。

ついでながら。
山際淳司にもっともっと長生きして貰って、
例えばイチロー選手とかテニスの錦織選手とかリオデジャネイロ五輪とか、
エンゼルスの大谷選手とか今度のロシアW杯とかを、書いて欲しかったなぁと思う。

更についでのついで。

ゆうきまさみ『究極超人あ~る』で、主人公のR・田中一郎が、
「昔とった杵柄」を言い間違えて「むしり取った衣笠」と言っていたことも、
鮮明に思い出してクスクス笑いながら、この項を書いている。

衣笠祥雄さんのご冥福をお祈り致します。




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# by dokusho-biyori | 2018-04-26 01:06 | サワダのひとりごと | Comments(0)
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『約束の森』沢木冬吾
諸事情で〈 疑似家族 〉を演じることになった中年のおっさんと、
青年と、少女、そして一頭のドーベルマン。
それぞれ身よりの無い彼らが家族を演じるうちに、ジワジワと心を通わせるようになっていく。
その様子が温かいやらまぶしいやらで、一度読みだしたら書を伏せること能わず。

『赤崎水曜日郵便局』編著=楠本智郎



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『伴走者』浅生鴨

『Aではない君と』薬丸岳
殺人を犯し、新聞紙上では〈 少年A 〉となってしまった14歳の息子。
しかし、父親にとっては、彼は決して〈 A 〉ではない。
その〈 Aではない 〉君へ、ではなく、君に、でもなく、君と。
タイトルに、本作のエッセンスが凝縮されていると思う。



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『おしまいのデート』瀬尾まいこ

『私を変えた一言』原田宗典



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『ワセダ三畳青春記』高野秀行

『パタゴニア』椎名誠
日本の反対側のパタゴニアで、ひたすら妻の体調を案じ、
息子の成長を願う父親。
ネットもスマホも無かった時代、2万キロの距離を隔てて、
家族の気持ちがそっと寄り添う。



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『漂流郵便局』久保田沙耶

『しゃべれどもしゃべれども』佐藤多佳



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『レインツリーの国』有川浩

『小さき者へ』重松清
分かってやろうと思えば思うほど、分からなくなる。
寄り添おうと思えば思うほど、離れて行ってしまう。
それでも、どうにかして気持ちを届けたいと願う、不器用な家族の物語。



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『龍は眠る』宮部みゆき
宮部みゆきは、持てる者の優位ではなく、持っているが故の悲哀を描く。
想像してみてほしい。
好きな人とのデートの間、相手の心が見え続けたら……と。
特殊な能力を持っているが故の、辛さ。
しかし、少年はラストで高らかに宣言する。
《 僕、誰かの役に立てると思うよ。
  僕だけじゃないや、みんな、そのために生きてるんじゃないの?
  すっごく気障かもしれないけどさ、でもね、一年に一度ぐらい、夜中、
  一人っきりになって、そんなふうに考えてみるのも悪くないよ、きっとね 》

『ツナグ』辻村深月



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『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』G.キングズリ・ウォード 訳=城山三郎

『父と息子のフィルム・クラブ』デヴィッド・ギルモア 訳=高見浩



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『笑うハーレキン』道尾秀介

『あなたの人生の物語』テッド・チャン 訳=浅倉久志



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『ソラリス』スタニスワフ・レム 訳=沼野充義

『パパ、ママ、あいしてる』ブルック・デザリック、キース・デザリック 訳=青山陽子



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『阿弥陀堂だより』南木佳士

『キネマの神様』原田マハ
伝説的な映画評論家とただのおっさん。
引きこもってしまったコンピューターおたくの息子と母親。
そして、だらしない父親と元キャリアウーマンの娘。
絡まりまくった彼らの気持ちが、映画を通して少しずつほどけていく。
『フィールド・オブ・ドリームス』を久しぶりに観直したくなる。



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『カンバセイション・ピース』保坂和志

『暗いところで待ち合わせ』乙一
警察に追われる青年が逃げ込んだのは、盲目の少女が一人で暮らす家。
じっと息をひそめる青年。何者かの気配に怯える少女。
しかし、ずっと一人ぼっちだった彼らは次第に、心を通わせ始める。
声には出さないその交流が温かければ温かいほど、
彼らを待ち受ける運命が心配になって、ページをめくる手が止まらない筈。



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『リミット』五十嵐貴久
今日の番組が終わったら自殺します。
ラジオ局に自殺予告をしてきたリスナーを、番組内で口汚くののしるパーソナリティ。
だけども、彼は、彼にしか説得できないであろうことを感知して、
彼なりの方法で、なんとか自殺を思いとどまらせようとしているのだ、多分。
電波に乗せた心の交感を描く、一風変わったタイムリミット・サスペンス。

『はじめて好きになった花』はらだみずき



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『インドなんて二度と行くか!ボケ!!』さくら剛
こんなにも、意思の疎通が出来ない旅がある(笑)!
こんなにも、客の気持ちをくみ取らないサービス業がある(笑)!
こんなにも、腹の立つことしか無い一人旅なんて(笑)!
初読の時は、電車で読めないどころではなく、殆ど呼吸困難レベル。
インド、行きたくねー(笑)。

『僕らの仕事は応援団。』我武者羅應援團
例えば、幼い兄弟が、毎日朝から晩まで働いている母親の為に、
母の日のサプライズとして、応援団を呼ぶ。
お母さんありがとうの気持ちを込めてフレーッ! フレーッ! と声を上げる。
応援とは、される者だけでなく、する者の心にも、勇気を芽生えさせるものなのだな。



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『容疑者』ロバート・クレイス 訳=高橋恭美子

『助手席のチェット』スペンサー・クイン 訳=古草秀子
チェットは警察犬の試験を落第してしまった犬だけど、
バーニーとの信頼関係は、絶対に揺るがない。
脅迫されても痛めつけられても、チェットはバーニーの指示以外には耳を貸さない。
「僕に命令出来るのはバーニーだけだ」
ピンチを救って貰ったバーニーがチェットに向かってお礼を言えば、
「バカなことは言わないでくれ、俺たちは友達なんだから」と言ってのける。
私立探偵バーニーとその相棒のチェットの交流が、
謎解き以上にワクワクさせてくれる、ユーモアミステリー。



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『ふるさと銀河線』髙田郁

『海岸通りポストカードカフェ』吉野万理子



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# by dokusho-biyori | 2018-04-24 22:55 | 開催中フェア | Comments(0)