<   2018年 09月 ( 6 )   > この月の画像一覧

悲報

a0304335_16204254.jpg

[PR]
by dokusho-biyori | 2018-09-25 16:21 | サワダのひとりごと | Comments(0)

不思議なものがたりの世界へ

a0304335_09143176.jpg




a0304335_09151211.jpg

『モモ』 ミヒャエル・エンデ/著 大島かおり/訳

『銀杏堂』 たちばなはるか

『雨やどりはすべり台の下で』 岡田淳



a0304335_09163268.jpg

『北風のわすれたハンカチ』 安房直子

『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』 廣嶋玲子/著 jyajya/絵

『夜の小学校で』 岡田淳



a0304335_09180665.jpg

『二分間の冒険』 岡田淳

『選ばなかった冒険』 岡田淳

『大おばさんの不思議なレシピ』 柏葉幸子/著 児島なおみ/絵



a0304335_09184000.jpg

『精霊の守り人』 上橋菜穂子/著 二木真希子/絵

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』 東野圭吾

『黄泉坂案内人』 仁木英之



a0304335_09193409.jpg

『幽落町おばけ駄菓子屋』 蒼月海里

『かにみそ』 倉狩聡

『気障でけっこうです』 小嶋陽太郎



a0304335_09203721.jpg

『おせっかい屋のお鈴さん』 堀川アサコ

『金木犀二十四区』 三木笙子

『夜は短し歩けよ乙女』 森見登美彦



a0304335_09211526.jpg

『夜市』 恒川光太郎

『RDGレッドデータガール』 荻原規子

『三日間の幸福』 三秋縋



a0304335_09225963.jpg

『神様の御用人』 浅葉なつ

『ひみつの校庭』 吉野万理子/著 宮尾和孝/絵

『霧のむこうのふしぎな町』 柏葉幸子/著 杉田比呂美/絵



a0304335_09234711.jpg

『獣の奏者』 上橋菜穂子

『涙倉の夢』 柏葉幸子/著 青山浩行/絵

『妖怪アパートの幽雅な日常』 香月日輪



a0304335_09244082.jpg

『新世界より』 貴志祐介

『幻想郵便局』 堀川アサコ

『空き家課まぼろし譚』 ほしおさなえ



a0304335_09252134.jpg

『宵山万華鏡』 森見登美彦

『思い出のとき修理します』 谷瑞恵

『光の帝国』 恩田陸



a0304335_09260800.jpg

『ホテルカクタス』 江國香織

『家守綺譚』 梨木香歩

『想い出あずかります』 吉野万理子



a0304335_09264765.jpg

『ツナグ』 辻村深月

『しゃばけ』 畠中恵

『夜と会う。』 蒼月海里



a0304335_09274212.jpg

『おもてなし時空ホテル』 堀川アサコ

『隣のずこずこ』 柿村将彦

『ふしぎな声のする町で』 ほしおさなえ/著 くまおり純/絵



a0304335_09282260.jpg

『うろんな客』 エドワード・ゴーリー/著 柴田元幸/訳

『優しい死神の飼い方』 知念実希人

『狐霊の檻』 廣嶋玲子/著 マタジロウ/絵



a0304335_09290790.jpg

『からくり夢時計』 川口雅幸

『ないもの、あります』 クラフト・エヴィング商会

『鳥籠の家』 廣嶋玲子



a0304335_09294035.jpg

『雨ふる本屋』 日向理恵子/著 吉田尚令/絵

『時給三〇〇円の死神』 藤まる

『きつねの窓』 安房直子/著 吉田尚令/絵



a0304335_09302842.jpg

『きまぐれロボット』 星新一

『ファンタジーとSF・スチームパンクの世界』 海野弘

『ボタニカル』 有間カオル/著 今日マチ子/絵



a0304335_09311279.jpg

『幻想古書店で珈琲を』 蒼月海里

『時知らずの庭』 小森香折/著 植田真/絵

『アヤカシさん』 富安陽子/著 野見山響子/絵



a0304335_09314784.jpg

『さよなら、おばけ団地』 藤重ヒカル/著 浜野史子/絵

『十年屋』 廣嶋玲子/著 佐竹美保/絵

『幻獣標本箱』 江本創



a0304335_09462672.jpg







[PR]
by dokusho-biyori | 2018-09-21 09:34 | 開催中フェア | Comments(0)

それぞれのゴールに向かって走れ!

a0304335_08432473.jpg




a0304335_08433774.jpg

『新・箱根駅伝』 酒井政人

『ラン』 森絵都



a0304335_08452884.jpg

『駅伝ランナー』 佐藤いつ子

『800』 川島誠



a0304335_08463077.jpg

『一瞬の風になれ』 佐藤多佳子

『世にも奇妙なマラソン大会』 高野秀行



a0304335_08475512.jpg

『風が強く吹いている』 三浦しをん

『あと少し、もう少し』 瀬尾まいこ



a0304335_08485918.jpg

『強奪箱根駅伝』 安東能明

『長距離走者の孤独』 アラン・シリトー 訳=丸谷才一、河野一郎



a0304335_08501763.jpg

『標なき道』 堂場瞬一

『走ることについて語るときに僕の語ること』 村上春樹



a0304335_08511674.jpg

『シティ・マラソンズ』 あさのあつこ、近藤史恵、三浦しをん

『遙かなるセントラルパーク』 トム・マクナブ 訳=飯島宏



a0304335_08523602.jpg

『チーム』 堂場瞬一

『ダッシュ!』 五十嵐貴久



a0304335_08534407.jpg

『走る哲学』 為末大

『流鏑馬ガール!』 相戸結衣



a0304335_08544706.jpg

『かんじき飛脚』 山本一力

『べんけい飛脚』 山本一力



a0304335_08554239.jpg

『走れ! T校バスケット部』 松崎洋

『白バイガール』 佐藤青南



a0304335_08564603.jpg

『走らなあかん、夜明けまで』 大沢在昌

『走れメロス』 太宰治



a0304335_08583413.jpg

『逃げ』 佐藤喬

『ヒルクライマー』 高千穂遙



a0304335_08594130.jpg

『自転車少年記――あの風の中へ』 竹内真

『サクリファイス』 近藤史恵



a0304335_09004502.jpg

『スマイリング!』 土橋章宏

『行かずに死ねるか!』 石田ゆうすけ



a0304335_09020083.jpg

『ババチャリの神様』 皆藤黒助

『ジョッキー』 松樹剛史



a0304335_09030554.jpg

『騎手の誇り』 本城雅人

『走る?』 柴崎友香、中田永一、東山彰良



a0304335_09042193.jpg

『犬と、走る』 本多有香

『彼のオートバイ、彼女の島』 片岡義男(品切れ重版未定)



a0304335_09120972.jpg

『ウォッチャーズ』 ディーン・R・クーンツ 訳=松本剛史(品切れ重版未定)

『ハンターズ・ラン』 ジョージ・R・R・マーティン、ガードナー・ドゾア、ダニエル・エイブラハム 訳=酒井昭伸(品切れ重版未定)



a0304335_09133693.jpg

『バトルランナー』 スティーヴン・キング 訳=酒井昭伸(品切れ重版未定)

『シービスケット』 ローラ・ヒレンブランド 訳=奥田祐士(品切れ重版未定)



a0304335_09175325.jpg






[PR]
by dokusho-biyori | 2018-09-18 09:20 | 過去のフェア | Comments(0)

ページをめくって島旅へ

a0304335_08510597.jpg




a0304335_08512633.jpg

『THE ISLAND軍艦島』 佐藤健寿

『直島古民家シェア暮らし』 まつざきしおり



a0304335_08524956.jpg

『機関車先生』 伊集院静

『十角館の殺人』 綾辻行人



a0304335_08554876.jpg

『島はぼくらと』 辻村深月

『孤島の祈り』 イザベル・オティシエ 訳=橘明美



a0304335_08563442.jpg

『くちびるに歌を』 中田永一

『無人島に生きる十六人』 須川邦彦



a0304335_09005149.jpg

『漂流』 吉村昭

『エトロフ発緊急電』 佐々木譲



a0304335_09023708.jpg

『いなくなれ、群青』 河野裕

『宝島』 ロバート・ルイス・スティーヴンソン 訳=鈴木恵



a0304335_09040743.jpg

『ロビンソン漂流記』 ダニエル・デフォー 訳=吉田健一

『十五少年漂流記』 ジュール・ヴェルヌ 訳=波多野完治



a0304335_09053619.jpg

『「十五少年漂流記」への旅』 椎名誠

『イースター島を行く』 野村哲也



a0304335_09073602.jpg

『色のない島へ』 オリヴァー・サックス 訳=大庭紀雄、春日井晶子

『蠅の王』 ウィリアム・ゴールディング 訳=黒原敏行



a0304335_09135336.jpg

『そして誰もいなくなった』 アガサ・クリスティ 訳=青木久恵

『ねずみに支配された島』 ウィリアム・ソウルゼンバーグ 訳=野中香方子



a0304335_09155123.jpg

『奇妙な孤島の物語』 ユーディット・シャランスキー 訳=鈴木仁子

『秘島図鑑』 清水浩史



a0304335_09234449.jpg

『T島事件』 詠坂雄二

『無人島セレクション』 無人島セレクション編集部/編



a0304335_09252637.jpg

『幻屍症(インビジブル)』 周木律

『世界史からこぼれ落ちた離島伝説』 おもしろ地理学会



a0304335_09264226.jpg

『図書館島』 ソフィア・サマター 訳=市田泉

『孤島パズル』 有栖川有栖



a0304335_09281955.jpg

『館島』 東川篤哉

『イルカの島』 アーサー・チャールズ・クラーク 訳=小野田和子



a0304335_09305062.jpg

『14歳の水平線』 椰月美智子

『ネプチューンの迷宮』 佐々木譲



a0304335_09321907.jpg

『ミコとまぼろしの女王』 作=遠崎史朗 絵=松本大洋

『地図から消えた島々』 長谷川亮一



a0304335_09335258.jpg

『青いイルカの島』 スコット・オデル 訳=藤原英司 絵=小泉澄夫

『ばらかもん』 ヨシノサツキ



a0304335_09353279.jpg

『漂流の島』 高橋大輔

『絶海の孤島』 カベルナリア吉田



a0304335_09371932.jpg

『ふたご島からの脱出』 SCRAP、鹿野康二

『池島全景』 黒沢永紀



a0304335_09393429.jpg





[PR]
by dokusho-biyori | 2018-09-17 09:42 | 過去のフェア | Comments(0)

遅刻の訳

9月の読書日和が大幅に送れたのには、
実は深~い訳があるのです。
どのぐらい深いかと言うと、
それはそれは、深いのです。




[PR]
by dokusho-biyori | 2018-09-12 19:18 | サワダのひとりごと | Comments(2)

18年09月

a0304335_09510010.jpg




a0304335_09511253.jpg




a0304335_09085235.jpg




新しい「一眼」――文藝春秋営業部 川本悟士
a0304335_07505502.jpg


『Number』なんか写真が変わったなぁ。

 みなさん、この夏は、お盆は、いかがでしたか。私はといえば、休もうと思って里帰りしたのに父親が急にこんなことを話し始めるので、つくづく出版社には勤めるもんじゃないなと思いました。

 さて、実は『Number959号』、たしかに私も手にとったとき「あれ?」と思いました。編集後記にもあるのですが、連載の位置が変わって、新しいコーナーもできました。少し前に編集長をはじめとした新しい体制になり、それが現れていたというわけです。

 ちなみに、前の『Number』の編集長はどこに……と思われたそこのあなた。実は月刊『文藝春秋』で新しく編集長をしています。そんな目で月刊『文藝春秋』の9月号をめくってみてください。「雑誌は編集長のもの」という言葉も世の中にはあるようです。なにか「あっ」という変化に気づかれるかもしれません。

「ちなみに」ついでにお話すると、新編集長最初の号は〈 芥川賞 〉の掲載号。月刊『文藝春秋』の編集長は芥川賞選考の司会もしなければならないので、早々に大変な重責を担うことになります。前日から当日にかけて、歴代の編集長はどんな準備をしているのでしょうか? かつて話をきいたところでは、芥川龍之介の墓参りをしたり、験を担いで冬でも夏物のスーツをきたり、黒子に徹して目立たないようにと白いワイシャツを選んだりするとか。雑誌一冊とっても、いろんな思いがのっているんですね。


a0304335_09094697.jpg


 閑話休題。さて、実家でいきなりそんな冷水をかけられた私ですが、ふと、「そういえば、親父はどうしてこんなことに気づいたんだろう」と思いました。連載の位置ならまだしも、写真ですよ? 写真の背景の雰囲気、色味の具合、そういったところに目がいくほど、この人はそういうことに興味があったっけ……? きいてみると、あっさりと答えが出てきました。

「俺も昔は写真に凝った時期があるんだよ」なんと……!
 実は私、最近長年興味のあったカメラに、ようやく手を出しました。親子って嫌ですね。もともとスポーツの写真なんかを趣味で撮っていたのですが、もう少しだけ真面目に撮ろうかな、なんて思ったのにはきっかけがあります。

 一番は、宮城谷昌光『海辺の小さな町』と出会ったことでしょう。中国歴史小説界の第一人者である宮城谷先生ですが、これはなんと『アサヒカメラ』に連載されていた、大学生の四年間を描いた青春現代小説です。大学入学の記念に父から贈られたカメラ。カメラを手にしたことで、それまで出会わなかった人と出会い、見えなかった景色を見つけるようになる……。カメラに込められた秘密が次第に解き明かされていくにつれ、ついつい引き込まれてしまいました。

 そんなふうに名作にあてられて、「あぁ、久しぶりに俺もなにか撮りたいなぁ」そんな風に思いつつ、例によってフラフラと書店をさまよっていたそんなある日、思わずカメラのコーナーで立ち止まってしまい、読み始めたら、どんどん実際に触ってみたくなったという、まあ意地悪に簡略化してしまえば、盛り上がっていたところに教本を読んでテンションがあがったよ、という至極単純なお話なのかもしれません(笑)。


a0304335_08020907.jpg


 ようするに、「何かを始めるまでわからなかった景色」というのがあるんだろうな、ということです。たとえば、真夏にバイクで走っている人を見て、多くの人がそう思うように、昔は私も「いいなぁ、涼しそうで」なんて思ったものでした。ところがどっこい、やってみるとあれは結構キツいものです。考えてもみてください。灼熱の日差しのなか、脚でエンジンという「石油ストーブ」を挟んで信号が変わるのを待つあの時間のどれだけ長いことか……! 乗るようになってからというもの、「真夏のライダー」をみるたびに、「大変だなぁ」と反射的に思うようになってしまいました。

 たとえば、こういうことなんでしょう。一度カメラに凝ると、思わず写真のひとつにも目が行くようになり、「なんか変わったなぁ」と思うようになる。もちろん、本当に変わったのかはきいてみないとわかりませんが、ひとつ趣味をもつと、そういう視点というか、それまでだと気づけなかった視点から見ることができる新しい「眼」も、ひとつ増えるんだなぁと思います。

 いよいよ気候は行楽シーズン。それこそバイクに跨って、面白いものを探しに行くにはうってつけの季節がやってきます。旅のおともに、きっかけをくれるかもしれない本を1冊、いかがですか。



a0304335_08063467.jpg


「敵は倒すためにあるんやない」
「何のためにあるんですか?」
「歩み寄るためや」


 わざわざ敵を探しては、揚げ足を取って糾弾する。本筋からは外れた重箱の隅をつついて、鬼の首でも取ったように譴責する。そんな不毛な諍いがここ10年ぐらいで急増した気がする。それって、誰が得するんだろう? 《 汝らの中、罪なき者まず石をなげうて 》と聖書にもある。どう叩くかよりも、どう歩み寄るか。そう考えた方が、世の中の幸せの総量は増えていくんじゃなかろうか。



今月の紹介本



新刊案内
a0304335_08143964.jpg




a0304335_08145133.jpg




a0304335_08150207.jpg




a0304335_08151765.jpg




永野裕介のスクリーンからこんにちは。
a0304335_08184041.jpg



 緊迫感! 緊迫感! 緊迫感! ピリッピリの緊迫感を味わいたいならこの作品!

 テイラー・シェリダンの脚本は、映像スリルと社会問題提起が素晴らしい。『ボーダーライン』の時も脚本だけの参加だったが、緊迫感凄まじく素晴らしい作品だった。そして今作は自分の脚本で監督。やっぱり面白かったです!

 緊迫感では『ボーダーライン』に及ばないが、今作は地元のハンター演じるジェレミー・レナーと新人FBI捜査官役のエリザベス・オルセンが、このストーリーに厚みを出していてとても良かった。特に、ハンター役のジェレミー・レナーがめちゃくちゃ格好良くてハマり役! これだけキャラが立ってると続編期待しちゃうな~。

 ……で、結局何が言いたいかというと、社会派クライム・サスペンスとして秀逸でバディ作品としても面白いものは中々出会えないのでオススメです!

 話は変わって、今邦画で久々に盛り上がりをみせている作品をご存知でしょうか? 都内2館から始まり、現在は全国二〇〇館を超え大感染! 『カメラを止めるな!』自分も観ました。えっ!? 感想? ウ~ン……言えない(汗)。それがこの作品のミソだから! 勿論、面白かった! 良く出来てる(笑)。皆さんも是非!



ルールなんか知らなくっても――丸善津田沼店 沢田史郎
a0304335_08215029.jpg


 卒爾ながらお尋ねしたい。

 例えばサッカーを題材にしたスポーツ小説を、「私、サッカーよく解らないから」と言って敬遠しているそこのあなた。それならあなたが警察小説を読むのは、殺人事件の捜査を〝 よく解っている 〟からなのか? SF小説を買うのは、宇宙旅行をよく知っているからなのか? 或いは冒険小説に手を伸ばすのは、人跡未踏の砂漠やジャングルに詳しいからなのか? ファンタジー小説のページをめくるのは、魔法や呪いに知悉しているからなのか? 勿論、そうではない筈だ。ってか、そうだったらたまげるよ(笑)。
 巧い小説、面白い物語というものは、そこで描かれている文化や文明に疎い者でも、容易にその世界に引きずり込んでしまう、そういう引力を持っているのだ。いやむしろ、まだ見ぬ世界を垣間見せてくれることこそが、或いは行きたくても行けないどこかに連れて行ってくれることこそが、〈 小説 〉というものの魅力だろう。だからこそ僕らは、常軌を逸したマッドサイエンティストや未知の深海生物、謎の宇宙生命体やゾンビや魔物や妖怪が出て来る話でも、それを〝 荒唐無稽 〟と笑い飛ばさずに、それどころかあたかもそれが目の前に現れたかの如く、ハラハラドキドキと胸高鳴らせてきたのではないか。

 ならば、である。作中で題材になっているスポーツを〝 よく解らないから 〟という理由だけで遠ざけてしまうのは、果たして正しいと言えるのだろうか?

 更に幾つか、検討を重ねたい。


a0304335_08275213.jpg


 主人公が43歳で死んだと思ったら18歳に戻って人生をやり直すケン・グリムウッドの『リプレイ』。タイムスリップものの金字塔であるあの小説は、タイムトラベルの経験が無い人にとっては〝 よく解らない 〟作品だろうか? ナチスドイツの〈 チャーチル拉致計画 〉を「これ、史実じゃね?」というぐらいのリアリティで描き切ったヒギンズの『鷲は舞い降りた』。あの興奮は、特殊部隊に在籍した人にしか伝わらないだろうか? 或いは、吉川英治の『宮本武蔵』池波正太郎の『剣客商売』は、剣術に不案内な者には理解不能な作品だろうか? ついでだからもう一つ。スティーヴン・キングの不朽の青春ホラー『IT』は、殺人ピエロに追いかけられた事が無ければ怖くも何ともないのだろうか?

 答えは全て、〈 否 〉であろう。優れた小説というものは、経験や蘊蓄のある無しで読者をふるいにかけたりしないものなのだ。

 だとしたら、だ。スポーツを描いた小説に於いても、知識や体験にかかわらず心を踊らされたり目頭を熱くさせられたりする事が、あって当然だとは思わんか?

 とまぁそんな訳で、今月はルールなんぞ知らんでも血沸き肉躍るスポーツ小説! を勝手に特集。

 まず最初の舞台は、高校の弱小サッカー部。小野寺史宜の、その名も『ホケツ!』。こちら、長らく品切れのまま放置プレイの憂き目に遭っていたのだが、この9月、遂に文庫化された事を寿ぎたい(因みに巻末の解説は、浦和レッズに全てを捧げる男・本の雑誌社 〈 炎の営業 〉杉江由次氏。高校のサッカー部で最後までレギュラーになれなかった自身の体験を、大人になった今の目線から振り返る、沁み入るような文章は必読だ)。


a0304335_08363296.jpg


 高校3年生の宮島大地は、母親とは死別し、父親は失踪。以来、伯母と二人で暮らしている。サッカー部では万年補欠で、なんと、これまで公式戦に出た事が一度も無い。けれど、伯母にはそうとは言えず、エース並みの活躍をしていることになっている。

 性格は温和で、他人と言い争うようなことはまず無いし、誰かを無理矢理にでも引きずり降ろして、自分がレギュラーになろうなんていうふてぶてしさも持ってない。フリーキックの練習で得意な位置を後輩に横取りされても怒れない。怒りを我慢するのではなく、「まぁいいか」と思ってしまう。部員同士が喧嘩すると、そんなつもりは無くてもいつの間にか仲裁役になっている。何となくいい雰囲気になっている女子もいるが、異性として好きなのかそれともただ気が合うだけなのか、自分の気持ちがよく分からないから、具体的な行動も起こさない。

 といった感じで、宮島大地という青年は、気が小さいと言うか、優し過ぎると言うか、欲が無いと言うか、要するに自己主張がやたらと薄い。《 レギュラーになれねえのに、仲間ヅラして 》などと、時には貶められたりもする。

 けれど、彼のそんな性格を〈 短所 〉ではなく〈 長所 〉と捉えて応援してくれる人もいる。

 例えば、ハンバーガーショップでバイト中の友人を尋ねた時。友人の「おごるよ」という申し出をやんわりと断ると

《 「いいって。バイトしてんだから。ちょっとは割引もあるし」「だからっておごってたら、意味ないでしょ」「おごることに意味はあるだろ」 》

と返されて、ほっこりする。

 経済的な負担をかけまいと、無理をして国立大学を受けようとする大地に、伯母は言う。
《 ねぇ、そんなにわたしに迷惑をかけたくない? 》と。

そして数日後にこうも言う。

《 わたしのために国立大学に行こうなんて思わなくていい。でもわたしがそう言っても思っちゃうんなら、もうそれはそれでいい。大地がそう決めたんなら、がんばってほしい。ただ、落ちたらわたしに迷惑をかけるとか、そうは思わないでほしい。わたしがそれを迷惑だと思うなんて、そんなふうには思わないでほしい 》と。


a0304335_08375477.jpg


 そんな理解者に囲まれることで、ふわふわと中空を漂うように頼りなかった大地にも、漸く自分が見えて来る。

《 ゴールを決めたい。ぼく自身が決めなくてもいい。チームとして、決めたい。一パーセントでも確率が高いほかの選択肢があるなら、ぼくはそちらを選ぶ。それこそがぼくだ 》

自分自身のそんな本心を悟った大地がどう動くかは、勿論ここに書くのは我慢する。

 ただ、一寸の補欠にも五分の魂。レギュラーになることだけがスポーツの価値ではない。それは、学問でも仕事でも子育てでも釣りでもジョギングでもダイエットでも、同じだろう。レギュラーにはなりたい。結果は出したい。でも、結果が出なかったら無駄だ、とも思いたくない。オリンピックは参加する事に意義が在る、なんてきれい事を言いたい訳ではないんだが、それでも、〈 やってみたけど出来なかった事 〉と〈 最初からやろうとしなかった事 〉では、たとえ結果は同じでも、大切なところで何か大きな差があるに違いない。要するに、人生、結果だけが全てじゃない。そんな青臭い事をついつい考えさせられる、爽快な青春小説が『ホケツ!』であった。

『ホケツ!』を読んで気に入ったら、同じ著者の『リカバリー』も是非是非手に取って欲しいサッカー小説だ。実はこれ、僕が巻末の解説を担当しているのでここで詳述はしないけど、父親、母親、チームメイト、幼馴染み、そういったつながりを力に、艱難を乗り越えていく青年とおっさん、二人のJリーガーの〝 三歩進んで二歩下がる 〟微速前進の物語。《 唐揚げならサッカーだ 》という名セリフには、誰もが頬をほころばせる筈。

 因みに、『ホケツ!』 『リカバリー』の著者・小野寺史宜氏が、WEB本の雑誌の「作家の読書道」で特集されているので、こちらも併せてオススメしたい。


a0304335_08443904.jpg


 サッカー小説をもう一つ。はらだみずき『スパイクを買いに』は、ちょっと走っただけで息が上がる、運動不足のおっさんが主人公。出版社で編集の仕事に携わる岡村は、意に染まない異動によってストレスを溜め込んでいる。その上、中学生の息子とも意思の疎通が上手くいかずにギクシャクし、休日に憂さを晴らせるような趣味も無い。

《 まるで毎晩日曜日の夜で、まるで毎朝月曜日の朝のようだった 》……。

 そんな岡村に変化をもたらしたのが、ひょんなことから関わった草サッカー。

《 あの人たち、みんな、なにかしら忘れ物をしてきた連中。今さら、なにになろうってんでもないだろうけど、グラウンドに集まってくるんだよね 》

という素人サッカー。そこのメンバー表に名を連ね、走り回って汗みどろになって翌日は筋肉痛に悩まされるという週末を繰り返すうちに、当然ながら、少しずつ息が続くようになって走れるようになり、筋肉痛も軽くなる。すると不思議な事に、壁にぶつかっていた仕事でも、好転の兆しが見えてくる。と言うのは実は正確ではなくて、多分彼は悟ったのだ。やること為す事全てが上手くいく試合などあり得ないのと同様に、仕事でも家庭でも、障害だの苦境だのが在るのが当たり前だという事を。上手くいかないのが普通なのだという事を。

《 よく、なにかを始めるのに遅すぎることはない、というけれど、半分本当で、半分は嘘のような気がする。子供の頃、若い頃、あるいは今しかできないこと、というのもあると思う。でもたぶん、自分が始めたいと思ったそのことは、その人にとって、始めるのに遅すぎることはない 》

そんな考え方もあるという事に気付いた岡村には、街の風景がいつもと違って見えたに違いなく、同様に本書を読み終わった読者の目にも、きっと見慣れた景色がちょっと違って見えるんじゃないかと思ったりする。


a0304335_08472941.jpg


 サッカーが人気スポーツの西の横綱だとすれば、東の横綱はやっぱり野球だろう。と言っても、Jリーグ誕生の何十年も前からプロリーグがあるだけに、小説の数も膨大だ。故に、今日ここに挙げるのはほんの一例、大海の中の一滴だと思って読んで頂きたい。

 ここで本来なら須賀しのぶを真っ先に挙げたいところだが、いつぞやの本誌で彼女の野球小説をまとめて紹介したので、今回は他の作家にスポットを当ててみたい。

 で、五十嵐貴久の名前を挙げると、多分、新しいファンは意外に感じるかもしれないが、二〇〇三年に発売された『1985年の奇跡』は、彼の出世作だと言っていい。舞台は文字通り、1985年の都立小金井高校野球部。単行本刊行時の帯の惹句は《 練習よりも夕やけニャンニャン 》。

と言っても若い衆はピンと来んだろうが、1985年当時、フジテレビで平日5時からそういう名前のバラエティ番組があってだな、オーディションから誕生したおニャン子クラブなるアイドルユニットが、今のAKBだとか乃木坂だとかに勝るとは言えども劣らない人気を博しておって、その会員ナンバーを全て覚えて自慢げに吹聴する奴がいたりして、部活一筋で夕方5時の番組なんかまず観られなかった俺は、そういう輩をヒマ人どもめ、と心密かに軽蔑などしていたのだが、要するにそういう時代の、とある弱小野球部に、プロからも注目される超高校級のピッチャーが転校してきて、それまでめちゃくちゃテキトーに練習していた部員たちが、「あれれ? ひょっとして俺たち甲子園行けんじゃね!?」と俄かに色めき立って、実際に転校生が投げるようになってからは連戦連勝、何しろ全く失点しないからまぐれ当たりでもエラーでも、一点取りさえすれば勝てるんだから、野球部にはいつしか全校の期待が集まるようになる。


a0304335_08505707.jpg


 ところが……と、当然ながら青春小説に挫折はつきもの。その〈 挫折 〉を詳述してしまうと所謂〝 ネタバレ 〟になってしまうのが、レビューを書く側としては非常に苦しい。かろうじて言えるとすれば、どん底から這い上がれるかどうかの瀬戸際にいるエース・沢渡に送った、野球部員たちの名セリフ。

《 まあ、その、つまり、何だ。沢渡はダチだと、つまりそういうことなんじゃねえのか 》

 もし自分の回りにも沢渡みたいな奴がいたら、彼らと同じ言葉を言える人間でありたいと、そう思いながら目頭を熱くする読者は、決して僕だけではない筈だ。一九八五年の空気を知らなくっても、〝 友だちって何だ? 〟というどの時代にも共通するテーマに真正面から挑んだ爽快な青春小説である。
 野球は9人でやるスポーツである。という言い方はやや正確性に欠けるかも知れない。ピンチになればピッチャーを替えるし、チャンスになれば代打を送ったりもする。9人というのは、試合をするための必要最低限の人数だから、9人いれば試合は出来る、と言うのが正解だろう。では、その9人が揃わない野球部はどうするのかと言えば、昔は、選手が揃わない=試合をする権利が無いということで、夏の高校野球地区大会にも、出場する事すら叶わなかった。しかし2012年、高野連の規則改定により、部員9人に満たない高校は連合チームとして地区予選に出場出来ることになった。

 その恩恵を受けたのが朝倉宏景『野球部ひとり』の野球部員たち。落ちこぼれ満載のヤンキー高校・都立渋谷商業野球部は全部で8人、東大に毎年何人も合格している都立自由が丘高校野球部は、なんとびっくりたった一人で野球部をどうにか存続させていて、その二つが連合チームを組んで、シブ商の武闘派プレーと自由が丘の頭脳プレーの融合で、マジで狙うぜ甲子園!

a0304335_08531887.jpg


 ってな筋書きは、恐らく言わんでも想像はつくだろう。故に、ここで強調したいのはストーリーの山谷ではない。例えば、だ。自由が丘高校の本多選手。くどいようだが、何しろ部員は自分一人だから、バッティング練習をしたくても、投げてくれる投手もいなけりゃ、守備をする内野も外野も捕手もいない。故に彼は、想像上のピッチャーから放たれる想像上の速球を想像上で打ち返し、一人ベースを駆け抜けて、想像上のバックホームに間一髪間に合ってヘッドスライディングでホームインする。そして、想像上のベンチに帰って、壁に向かってハイタッチする。

 そんなおままごとのような練習を繰り返していた彼に、柄は悪いがとにかく8人の仲間が揃ったのだ。これで、リアルな野球が出来る!

 ただし、天才的なプレーヤーがいる訳ではないので、勝つことは簡単ではない。参加する事に意義が在るとは言え、やる以上はやはり勝利を目指したい。そこで、本多くんが日頃から研究してきたデータを使って、野村監督のID野球さながら、頭脳プレーで勝利を目指す。

 そしていよいよ夏の県予選。

《 正直、試合前には半信半疑だったのだ。本当にこんな走塁を繰り返して、強豪校に勝てるんだろうか? そんな不安は、今やすっかり消え去っていた。へとへとになりながら積み上げてきたものがようやく実を結んだ気がした 》

……と、これ以上は書けないが、何しろとにかく、本作をただの野球小説だと思っていたら大きな間違いで、落ちこぼれたちが自分たちにも少しは取り柄があることに気が付いて、その取り柄を最大限に活かして限界を突破しようとする、起き上がり小法師の物語なのだ。

 本当は、他のマイナースポーツも採り上げるつもりだったんだけど、紙幅が尽きたので次回ということで、今月はここまで。



編集後記
a0304335_08550420.jpg




連載四コマ「本屋日和」
a0304335_08555926.jpg




9月のイベントカレンダー
a0304335_08564388.jpg









































[PR]
by dokusho-biyori | 2018-09-10 09:10 | バックナンバー | Comments(0)


「読書日和」備忘録


by dokusho-biyori

更新通知を受け取る

S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

カテゴリ

全体
ごあいさつ
バックナンバー
本屋日和2018
本屋日和2017
本屋日和2016
本屋日和2015
本屋日和2012~2014
開催中フェア
過去のフェア
試し読み
残る言葉沁みるセリフ2018
残る言葉沁みるセリフ2017
サワダのひとりごと
未分類