2018年 08月 03日 ( 1 )

18年08月

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8月の風に乗って――文藝春秋営業部 川本悟士
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 夏休みということで、いつもよりもちょっとだけ違う人が読むのかもしれません。ということで今回は少しだけ社会科の先生のような語り口でお送りいたします。

 それにしても暑いですね。最初は七月の三連休が暑いときいていたのですが、次第にその翌週、7月いっぱい、8月上旬まで……とどんどん暑さの期限が延びています。まるで宿題をしない学生の言い訳みたいですが、その分だと8月過ぎても暑かったりしそうなので今回は考えないでおきましょう。

 そんな8月ですが、夏といえばみなさんどんなことを思い浮かべるでしょうか。年齢が上がるにつれて、段々と概念としての夏といいますか、イメージとしての夏が好きになりました。実にジジ臭い話ですね。キンキンに冷やしたスイカ、花火、夕立に入道雲。風鈴の音に蝉の声、抜けるような青空。プールにでも飛び込めばもう、夏休みだ! という感じですね。社会人になると夏休みという言葉に異様な興奮を覚えるようになるようです。私もすべからくテンションが上ります。まあ現実に上がるのは気温ばかり……。外に出たところでテンションはだだ下がるので、あくまで好きなのはイメージとしての夏でしかないのですが。

 そんな8月ですが、広島出身の私にとってはなんだかんだ、終戦とは切っても切れない関係です。もしかしたら学校でそういうテーマに取り組むことになった学生さんもいらっしゃるかもしれません。なので、そんな人たちに少しくらい役立てるように、今回は戦争に関した文庫からお話しましょう。

 まず、課題に取り組むのであれば、「名作」に当たるのがいいでしょう。第二次大戦にかかわる名作のひとつといえば、やはり玉音放送までの1日を描いた『日本のいちばん長い日』だと、私は思います。



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 これは複数回映画化されている作品で、映画を見比べるのも一興です。簡単に言ってしまえば1945年、ポツダム宣言受諾を知らせる玉音放送を巡って織りなされる24時間の人間模様を描いたノンフィクションの傑作です。決して、当時の会議にのぞんだ人たちもサイボーグではありません。人間として、部下を背負い、立場を背負い、家族を背負い、自分自身の人生を背負って、そのうえで発言を重ねていました。いち人間として、「登場人物」たちをみることができるようになるかもしれません。

 次におすすめなのが、『昭和16年夏の敗戦』です。太平洋戦争での日本の敗戦は、昭和20年夏です。が、その4年前、アメリカとの戦争の経過を予測せよ、という極秘の命令のもと、日本中のエリートが集められていた、というノンフィクションです。その名も〈 総力戦研究所 〉。どうでしょう、実にドラマチックにすぎると思いませんか。私は最初思いました、いやどこのアニメかと。ところがこれを読むと、〈 総力戦研究所 〉に集まった精鋭たちがどれだけ知恵を絞り合い、その上でも日本の敗戦を導きだしたのか、思わず胸の熱くなる展開が続きます。いやまあ、一番の(色んな意味で)胸が熱くなるのは、どうしてその結果が出た上でも日本は開戦に踏み切ったのかというポイントなんですが。この2冊を読んで、私は教科書に書かれていた人名が、たんなる記号ではなく、生きていた人間なんだと妙に腑に落ちました。ああ、俺だったらこのなかで、どういうことが言えるかなぁ……と。

 と、ここまで読むとなんとなく〝 方向性 〟が決まってきそうですね。では最後に、一番私が好きで、そして一番むずかしいと思っている、もっとも短いものをおすすめしましょう。『格差ゲームの時代』(品切れ重版未定)にある、「広島とHIROSHIMA」です。あまりに短いので、かえってまとめないほうがいいかもしれません。なので多少文章の背景的なところから。



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 著者は、1963年広島生まれの男性です。ただし、広島市内をルーツにもつ方ではありません。当時の広島に、そして広島を巡る言説のなかで生活した、ニューカマーの実感。その視点からの、広島、原爆、そして戦争というものの〝 引力 〟が語られています。この〝 引力 〟をいいかえれば、絶対的な正義のもつ〝 磁力 〟といってもいいでしょう。描かれているのは、そのような力に対する〝 嫌な感じ 〟です。《 一つの正義は正義であることによってその外部を消し去ろうとする。/そういう意味の磁場に身をゆだねることが、子どもの私にはできなかった。拒否した、なんてかっこいいものじゃない。ただ、できなかったのだ。あえて成長という言葉をつかえば、私はいまだその子どもから一歩も成長していない。だから、正義を考えつづける。正義と別の正義を考えつづけている。/それが私にとっての戦争と平和である 》

 私は、いつもこの最後の文章が胸に残ります。

 戦争に関するこうした本を読むたびに、私は自分が、気を遣う割には空気に乗り切れない人間なんだなぁとしみじみ思います。でも、きっとそういう人は世の中の人が思うよりも、ずっとたくさんいるのでしょう。息苦しいなぁ、とか、周りの流れに乗れないなぁ、と思うこともみんなたくさんあって、でもそれは、たぶんに普通のことなんだと思います。だからこそ、自分と同じような「普通の」人たちがどんな現実を乗り越えてきたのか。その現実に、自分ならどうできただろう。一方でそんなことを考えながら、他方で「腹が減ったな」とそうめんをすする。かつて戦争の終わった暑い夏の日だからこそ、そんな甘い物としょっぱい物を交互につまむような毎日を、いつもより少しだけ大事にしたいと思います。



残 る 言 葉 、 沁 み る セ リ フ
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《 国を愛する心は、上から植えつけられるものでは断じてない。まして、他国や他の民族への憎悪を糧に培われるものであってはならない。
 人が持つあらゆる感情と同じように、思いやることから始まるのだ。そして信頼と尊敬で、培われていくものなのだ。 》


 西でも東でも北でも南でも、国際情勢が何だかギスギスしてきた昨今、何の力も持たない一般庶民の僕ら一人一人が上記の如き思いをシェア出来たら、悲しいニュースは激減するんじゃなかろうか。終戦記念の8月に、是非読んで欲しい作品の一つです。



お仕事小説で前を向く その2――丸善津田沼店・沢田史郎
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 先月の余勢を駆って、引き続き〈 お仕事小説 〉の巻。

 藤原伊織と言えばハードボイルドのイメージが圧倒的なんだろうけど、実は一般の勤め人、所謂サラリーマンを主役に据えた傑作も幾つか遺してくれている。中でも『シリウスの道』は藤原伊織らしさが満載で、乱歩・直木ダブル受賞の『テロリストのパラソル』よりも、こちらの方こそが代表作だと僕は思う。

 背景は、生き馬の目を抜くが如き広告業界。18億円という巨額の新規競合案件を軸に描かれるのは、プレゼンに向けた新チームの発足とその練成、丁々発止の派閥争い、仕事への誇りと情熱。更には25年前、まだ中学生だった主人公たちの友情と淡い初恋が挿入され、戻れない過去への郷愁と未練を行間に滲ませながら、しかもハードボイルドの香気はしっかりと全体に行き渡らせるという、読みどころ満載、まさに神業のような小説だ。とりわけ強調したいのは、新人営業マンの成長物語としての一側面。決して物語の本流ではないものの、なまじの小説やマンガ、映画などには及びもつかぬ爽快なエピソードの連続に、ザワザワと胸が波立つような興奮を誰もが覚えるに違いない。

 主人公の辰村は38歳で、東邦広告の営業副部長。弱電メーカー大手の大東電機が新規事業に進出するに当たり、その広告展開を18億円の規模で競合にかけるという。指名を受けて競合に参加することになった東邦広告は、辰村と上司の立花を中心に新チームを立ち上げ、プレゼンまでの怒涛の1ヶ月がスタートする、という幕開け。

 そこで登場するのが、広告業界1年目、25歳の戸塚青年。《 超大型のコネ 》で途中入社してきただけに社内のあちこちで《 バカ息子 》と噂されているものの、辰村だけは早くから伸びしろを見抜いて、彼なりのやり方で広告営業のなんたるかを叩き込む。その千本ノックのようなしごきに対して、戸塚の方も、時には涙を流しながらもガムシャラに齧りつく。


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 例えば、あるトラブルを収束させるために、戸塚が誇りも沽券もかなぐり捨てた行動に出たと、辰村が知ったその直後の描写を引用してみる。

《 辰村は「戸塚」と声をあげた。「泣くな」/「はい」/「背筋をのばせ。胸を張れ」/「はい」/ゆっくりと顔をあげ、やがて戸塚がまっすぐにこちらを見た。/「そうだ。仕事をやるときゃその姿勢でいつも胸を張ってろ。こっちが向こうの会社より図体がでかいからいうんじゃない。そいつがまっとうな仕事のやり方だからだ」/戸塚はうなずいた。そして口を開こうとし、ふたたび閉ざした 》

 どうだいこの、厳しさでカムフラージュされた愛情は! 以降、全力で辰村の期待に応えようと精進を続ける戸塚青年のガッツに、誰もが目を離せなくなること請け合いである。その感動と興奮は、喩えるなら『SLAM DUNK』の全国大会1回戦。庶民シュートしか出来なかった花道が、特訓の末に会得したジャンプシュートを成功させた、あの瞬間の洋平たちの心持ち。そう、《 巣立つヒナ鳥を見る母鳥の心境 》ってやつである。

 とは言え、この物語の本筋は多分そこではないんだろうな、ということにも気付いてはいる。

 例えば、欲得と自己保身しか頭に無いような重役連中に足を引っ張られながらも、ジリジリとゲインを重ねるチーム辰村の奮闘だったり、少年期の辰村が、大阪の貧しい下町で培った友情だったり、その頃のとある事件が、太陽の前を横切って一瞬陽射しを遮る雲のように、大人になった辰村たちの人生に時折落とす陰だったりといった具合に、この物語にはとにかく読みどころが満載で、挙句の果てには『テロリストのパラソル』にまで細~く繋がっていたりもして、ファンには勿論、藤原伊織初体験の読者にとっても、巻を措く能わざる傑作であることは間違いない。



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 それでも僕は、何度読んでもどうしても戸塚に感情移入してしまう。ある重要な会議で司会を任された戸塚が、誰からも見えないテーブルの下で、ハンカチを握りしめて緊張に耐えている場面など、思わず「ガンバレ!」と声をかけずにはいられない。ハードボイルドと括られると腰が引ける読者もいるかと思うが、そんな単純な色分けが如何に無意味か、読めばきっと分かる筈。

 2007年にまだ59歳の若さで食道癌に斃れた藤原伊織が、もし今も健在であればきっと世に送り出したであろう未知の傑作を思うと、残念なこと極まりない。

 営業マンの話をもう少し。

 例えばあなたが、接着剤メーカーの営業職だったとして、「〝 接着力がゼロ 〟の新商品を売って来い」と言われたら、如何にする? そんな無茶な、と思うよね(笑)。その無茶な社命を受けたビジネスパーソンたちの四苦八苦。

 今野敏と言えば取りも直さず警察小説の第一人者であるけれど、ヤクザが荒廃した私立高校の立て直しを図る『任侠学園』のように――先日、最新刊『任侠浴場』が刊行、堂々のシリーズ4作目――ユーモア満載の作品も実は得意にしている作家で、トゲの無いジョークの隙間に時折しのばせる人間愛と言うか人生肯定のメッセージは、一度味わってしまうと癖になってやめられない。

 そんな今野敏コミカルバージョンで、僕が最も推したいのが『膠着』

 舞台は老舗の糊メーカー〈 スナマチ 〉。そのやり手営業マン本庄史郎と、その部下で入社数カ月の丸橋啓太の許に、〝 極秘会議 〟への出席要請が届く。何事かと首をひねりながら御殿場工場に赴くと、開発部の担当者は開口一番、新製品の開発に失敗したと宣言する。

《 「結論から申し上げます。出来上がった接着剤は、ええ、そのう、接着能力がありませんでした」/啓太は再びのけぞりそうになった。接着力のない接着剤……。じゃあ、それはいったい何なのだろう 》。



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 そもそもは、耐熱性に優れて、人体に付着しても安全で、なおかつ電導性も確保した画期的商品を目指していたらしいが、

《 接着剤の宿命みたいなものなのですが、付加価値として何かの機能を持たせようとすればするほど、接着力が弱まる傾向があります。今回もある程度それを予想していたのですが、まさか、接着力がまったくなくなってしまうとは予想もしていませんでした 》

って、そりあ予想してたらそんなもん作らねーだろうよなぁ(笑)。

 問題は、だ。まず一つ目に、巨額の開発費を投じてきただけに、失敗しました、じゃあやり直そうという訳にはいかないこと。二つ目。開発失敗が世間に洩れたら、間違いなく株価が急落するであろうこと。そして三つ目。とあるアメリカ資本の接着剤メーカーが、スナマチに対して敵対的TOBを狙っているという確度の高い噂があり、それが事実だとするならば、株価の急落はスナマチにとって命取りになる、即ち、乗っ取られる。

 故に――。本庄や啓太たち営業部隊に、過酷な、かつて誰も経験したことが無いような大命が下る。この、接着力が無い接着剤を、どうにかして売れ、と(笑)。

 といった様相で幕を開ける今野版お仕事小説は、前述の会議からして、その可笑しさときたらキリも無く引用してしまいたくなるレベル。シアノアクリレートが云々、メチル基とエチル基が云々と化学的な説明を重ねる開発担当に、しびれを切らした一人が《 そういうことじゃなくって、例えば何に使えるのかというような話を聞きたいわけで…… 》と問えば、問われた方は《 現時点では、何も用途がありません。何せ、接着力のない接着剤ですから 》とケロリと答えたりする。

 まるで漫才か落語にでもなりそうなこんなやり取りが続くのだけど、話しあってる連中は開発部を初め、宣伝部も販売部も、勿論啓太たち営業部も、誰もが真剣そのものだから、岡目八目のこちらとしてはそれが余計に可笑しかったりして、四六時中クスクス笑いが止まらない。思うに『膠着』というタイトルは、糊がくっつくという意味の他に、毎日のように会議を続けても埒が明かない〝 膠着状態 〟を重ねた絶妙なタイトルではあるまいか。



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 その膠着状態を啓太たちがどう突き破るのか。それは勿論、読んでのお楽しみだけれど、《 野毛さんの説明を聞いていて、何かひっかかるなって思ったんですが…… 》という啓太に対して、本庄が《 一つだけ教えてやる 》と先輩としてのアドバイス。曰く《 そういうのが大化けすることがある。ひっかかりやひらめきをばかにするな 》とは、業種に関わらず全てのビジネスパーソンへの助言にもなりそうで、つまりこの作品はただ面白おかしいだけの小説ではなく、しっかりと啓太の成長譚にもなっている。

 警察小説しか読んだことない今野敏ファンは、騙されたと思って読んでみて欲しい。読後は「俺もちょっと頑張ろうかな」なんて気持ちにきっとなる。

 営業の話をもう一つ。安壇美緒(あだん みお)『天龍院亜希子の日記』は、堂場瞬一や朝井リョウを輩出した、小説すばる新人賞

 主人公の田町讓は27歳。人材派遣会社の営業で、つまり〝 登録して派遣される方 〟ではなく、派遣先を探して派遣社員を送り込む側で、職場はブラック。欲深い経営者が自分だけ得をしようとして起るブラックと言うよりも、金も人も余裕が無いが故に労働環境が過酷にならざるを得ない、といった感じのブラックさ。派遣社員がバックレて派遣先に謝罪に行ったり、代役を探したり、見つからない時は自分が代わりに現場作業に出向いたり、しょっちゅうしょっちゅう終電で、当然土日は寝てばかり。そんな場所で讓も同僚たちも、日々疲弊している。だから職場の雰囲気も年がら年中ピリピリしている。更には讓の場合、遠距離恋愛の恋人とも、最近何となくギクシャクしている。



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 という第一幕目は、どうにもこうにもどんよりした雰囲気なんだが、これが不思議と暗くない。勿論、元気いっぱいハッピーラッキーと言うには程遠いけど、かと言って読む程に気持ちが沈み込むような陰鬱さは無い。それは多分、何だかんだ言っても讓が、仕事にやり甲斐を見出そうとしているからで、その〝 まだ参ってない 〟姿に、僕は救われるのだ。

《 革靴は走るとすぐに傷むというけれど、仕事中にとっさに走りだすこの感じは嫌いじゃない。なんらかのアクシデントで突発的に、何かを急くのはわりと好きだ。俺は仕事が嫌いじゃない 》

 そうは言っても、いいことばかりでは決してない。仕事なんだから当たり前だ。嫌な事も日々てんこ盛りだ。割りの合わないキツい職場に派遣社員を押し込む時など、罪悪感が胸の中で頭をもたげたりもする。それでも讓は、世の中で役に立つ駒でありたいと願う。そのちっぽけな悪あがきが清々しい。

《 この仕事が良いものなのかどうなのか、そういうことはわからない。俺がちゃんと働けてるのかも実のところわからない。だけど、ひとまず自分の目の前にある仕事でもって、ちょっとでも人の役に立てたらいいなと、俺だって人並みに思っている。誰かに喜んでもらえたらいいなと考える日が、俺にだってたまにはあるんだ 》

 この、大袈裟過ぎない前向きさに救われる。悟ったかのような言葉で言い訳を粉飾してカッコつけながら何もしようとしない大人より、一緒にいて気持ちがいいのは、多分、青臭くても愚直でも、讓のように希望を捨てずに行動を起こす人の方だろう。

 作中、讓が思わずこぼした本音によって、会話の相手も讓自身も、自分たちなりの幸福を実感するシーンがある。

《 なんだよ、俺は意外にこんな簡単に幸せになれるんだ 》

 傲慢に言い切ってしまうと、多分このセリフこそが本書のテーマだ。映画やドラマの如く、9回ツーアウトからのサヨナラホームランなんて、現実にはそうそう巡り会えるもんじゃない。もんじゃないけど、だからと言って人生投げ出す訳にもいかないじゃんか。ならば大逆転など狙わずに、ヒットを重ねてジワジワと這い上がる。日々の暮らしの中で、或いは毎日の仕事の中で、ふと手にした小さな安息を、取るに足りないと馬鹿にしないで大事にする。そんな風に幸せを拾っていけたら、きっと、なかなか悪くない人生を送れるんじゃないか。『天龍院亜希子の日記』は、そんな穏やかな気持ちにさせてくれる作品だった。



永野裕介のスクリーンからこんにちは。
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 多幸感溢れる作品! 映画好きなら是非観てほしい! あの頃の好きな気持ちを思い起こさせてくれる作品です。

 ビックリしたのが、主人公の生い立ちが超ヘビー。25歳ジェームスは、外気から遮断された地下シェルターで両親と3人で暮らしている。ここで先ず「んっ!?」と引っかかる。そして、子どもの頃から毎週届く『ブリグズビー・ベア』という謎の教育ビデオだけを観て育つ。えっ! 25年間も? 外に出ず、教育ビデオだけ!? そして、ある日警察が来てジェームスを連れ去りこう言う……「あなたが一緒に住んでいた両親は、25年前にあなたを誘拐した犯人です」……!? なんちゅう展開! 人生25年目にして初の外の世界。見覚えのない本当の家族。えっ! ジェームスどうなっちゃうの!? ……ネタバレみたいになってしまったが、ここまでザッと冒頭15分程だろうか……だが、勿論ここからが面白い。

『八日目の蝉』を始め、昨今……〝 産みの親より育ての親 〟という作品が多く見られる。前回、ここで紹介した『万引き家族』もこのモチーフでした。これをストーリーに落とし込むとなると、やはり重い雰囲気になってしまう。しかし、この作品は少し違う。ジェームスは『ブリグズビー・ベア』という謎の教育ビデオだけを観て育った超ピュアボーイ。ここからこの主人公が周りを巻き込んで、遥か斜め上を行く展開で物語は進んで行きます。

 私はこの作品、ファミリー喜劇のジャンルだと思いました。ブラックな部分もありますが、とても優しい世界観で笑える作品に仕上がってるな~と。あと、マーク・ハミルをスター・ウォーズ以外の作品で観られたのがとても新鮮で良かったです!



今月の紹介本
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『格差ゲームの時代』佐藤俊樹(品切れ重版未定)

『膠着』今野敏

『昭和16年夏の敗戦』猪瀬直樹

『シリウスの道』藤原伊織

『天龍院亜希子の日記』安壇美緒

『日本のいちばん長い日』半藤一利

『また、桜の国で』須賀しのぶ



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編集後記
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連載四コマ「本屋日和」
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8月のイベントカレンダー
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by dokusho-biyori | 2018-08-03 10:17 | バックナンバー | Comments(0)


「読書日和」備忘録


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