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新芥川賞作家・町屋良平と町屋良平がリスペクトする作品展

 実は、町屋良平さんが『青が破れる』で文藝賞を受賞してデビューした直後に、一度展開しているフェアですが、今回の芥川賞受賞を機に、「デビュー当時は町屋良平という作家に興味が無かったけど、芥川賞獲ったのなら読んでみようかな」という方も大勢いるかも、と思って町屋さんに再掲の許可を頂いた次第です。

 受賞した途端に食いつくファンを「俄か」と言って軽んじる風潮が、本の世界以外にも多かれ少なかれ存在しますが、その「俄か」の中の何割かが、魅力に惹き込まれて本格的なファンになり、他の人たちに良さを伝える伝道師となっていく訳で、極端な言い方をすれば「俄か」は多ければ多いほど良い、と考えてます。標高1,000メートルの山の裾野と富士山の裾野は、言うまでもなく広さが全然違う筈で、裾野の広さはその山の高さに比例するんじゃないでしょうか。

 そんな訳で、「俄か」ファンも大歓迎の町屋良平フェア、お愉しみ下さい。そして快諾して下さった町屋良平さん、ありがとうございます。これからも作品を楽しみにしてます。



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『青が破れる』町屋良平


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『しき』町屋良平


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『1R1分34秒』町屋良平

『ぼくはきっとやさしい』町屋良平



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『OUT』桐野夏生
人間の剥き出しの悪意がここにあります。

『青い脂』ウラジーミル・ソローキン 訳=望月哲男、松下隆志
最高にふざけている小説です。


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『あるきかたがただしくない』枡野浩一
やさしく善良な魂で書かれた文章のほんとの迫力があると思っています。

『雨月物語』上田秋成 訳=高田衛、稲田篤信
現代に失われかけたあやしい価値基準にうっとりしました。


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『エクリチュールの零度』ロラン・バルト 訳=森本和夫、林好雄
文章とはなにか、というのを体に刻み込まれた一冊です。

『女が嘘をつくとき』リュドミラ・ウリツカヤ 訳=沼野恭子
想像をはるかに超えるアクロバティックな展開に度肝を抜かれます。


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『海辺の光景』 安岡章太郎
小説でしか描けない風景がここにあります。

『枯木灘』中上健次
文章に肉体をかよわせるような一冊です。


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『黄色い雨』フリオ・リャマサーレス 訳=木村栄一
読んでいる間中、ずっと現実の視界も滅びゆく感覚に満ちていました。

『巨匠とマルガリータ』ミハイル・アファナーシエヴィチ・ブルガーコフ 訳=水野忠夫
圧倒的に巨大な小説です。泣けます。


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『源氏物語』紫式部 訳=大塚ひかり
圧倒的な物語の自由と精度に驚嘆しました。

『坑夫』夏目漱石
いつの時代にもある普遍的「現代」の生きづらさがここにあります。


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『サマー・オブ・パールズ』斉藤洋、奥江幸子
高校生の時に読みました。初恋の甘酸っぱさ、さわやかさが凝縮されています。

『地図集』董啓章 訳=藤井省三、中島京子
収録されている少年神農が最高にエーンターテインメントです。


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『伝奇集』ホルヘ・ルイス・ボルヘス 訳=鼓直
ここに文学の秘密が詰まっています。

『田紳有楽・空気頭』藤枝静男
圧倒的な小説です。


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『灯台へ』ヴァージニア・ウルフ 訳=御輿哲也
いちばん大切な小説です。ただしい風景が描かれているような気がしています。

『中尾太一詩集』中尾太一
最高にクールな詩集です。


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『野川』古井由吉
はじめて読んだとき、こんな格好いい文章があるんだ!という驚きがありました。

『ピアニストが見たピアニスト』青柳いづみこ
芸術とはなにか?の神髄が描かれています。


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『ペドロ・パラモ 』フアン・ルルフォ 訳=杉山晃、増田義郎
こういう小説が書けたら最高です。

『抱擁家族』小島信夫
このやるせない、やさしい感覚は小島信夫ならではの奇妙な文章だと思います。


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『ホリー・ガーデン』江國香織
江國香織の小説はだいたい絶望にはじまり絶望に終わるところが好きです。

『もものかんづめ』 さくらももこ
はじめて文章に光のようなものを感じた一冊です。


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『弓と竪琴』オクタビオ・パス 訳=牛島信明
文学の神秘について教えてくれた本です。

『ラカンの精神分析』新宮一成
はじめてひとの意識というものに興味を抱いた本です。



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by dokusho-biyori | 2019-02-15 21:18 | 過去のフェア