読書日和

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「読書日和」備忘録

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14年10月

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『何者』朝井リョウ 新潮社 9784103330615 ¥1,500 + 税
就活の情報交換をきっかけに集まった、拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良。学生団体のリーダー、海外ボランティア、手作りの名刺……自分を生き抜くために必要なことは、何なのか。この世界を組み変える力は、どこから生まれ来るのか。影を宿しながら光に向いて進む、就活大学生の自意識をリアルにあぶりだす、書下ろし長編小説。(新潮社HPより)

『この女』森絵都 文春文庫 9784167901141 ¥610 + 税
日雇い労働者の青年と、ミステリアスな資産家の妻。二人の人生が交錯するとき、思いがけない事件が起こる。新境地を切り開いた傑作!(文藝春秋HPより)

『面接ではウソをつけ』菊原智明 星海社新書 9784061385061 ¥820 + 税
「二流大生」「内気・ねくら・コミュ力ゼロ」「サークルとアルバイト以外、何もしてこなかった」といった就活弱者の人たちが、どのようにすれば面接をクリアして、内定という「勝利」を勝ち取ることができるか、ということについてお伝えしていきます。弱者が「ありのままの自分」で勝負していてはお話になりません。徹底的に「ウソ」をつかなければ、ライバルと同じ土俵にすら立てないのです。(星海社HPより)

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本と就活と私

 みなさま、はじめまして。河出書房新社営業部の山本晴日と申します。今回は、このフリーペーパーの読者の方にはおなじみ、沢田さん酒井さんのご厚意により、寄稿させていただくこととなりました。お二人にはこの場をお借りして御礼申し上げます。
 何を書こうか…と頭を悩ませる日々が続く中、先日、社会人二年目にして初の「OB訪問」なるものを受けました。母校の就活生にドヤ顔で仕事のやりがいとか、就活のときの心得などを語るイベントです。そこでふと思い立ちました。「就活」というコンセプトで書こう!――題して、「本と就活と私」…安直です。

 就活で小説で、といえば今なら朝井リョウ『何者』でしょうか。私は自分の就活が終わった後に読みましたが、最中に読まなくて良かった、と心底思いました。自分にとってあまりにもリアルで、リアルすぎてこれが「物語」だと思えないほど。昨日友達がこんな話しててさー、くらいの手触りです。お子さんが就活で悩んでて…という方は読むといいかもしれません。どれくらいのレベルで我が子を腫れ物扱いすればいいかの参考にはなるかと思います。

 私自身の就活ですが、まあひどいことばかり。一番印象に残っているのが、●学館さんの面接。「作家は誰が好きなの?」「えーっと森絵都さんとか…」「お、そうなんだ。じゃあ『この女』読んだことある?」「あ、えーっと…えと、う、よ、読んだこと、ありません…」はー落ちた死んだと目の前真っ暗な私に構わず、面接官のおじさまはにっこりとほほえんで、「森絵都の新境地! って感じで、すごくいいよ。よかったら読んでみて。あ、そろそろ時間だね。じゃあまたね」と手を振りました。その「また」は二度とやってきませんでしたが。

 小●館からのお祈りメール(あなたはうちの選考に落ちました。今後のご活躍をお祈りします、メールのこと)を確認した後、私は自分を奮い立たせて『この女』を手に取りました。あんまりおもしろいのがまた悔しくって、泣きながら読んだ記憶があります。大阪のドヤ街に住む主人公・甲坂。彼はひょんなことから、資産家の妻・結子を主人公にした小説を書くことを依頼される。小説の冒頭は、阪神大震災によって長らく行方がわからなかったその小説が、ようやく見つかったという場面です。奥付をみると、「2011年5月20日」とあり、きっと、宣伝活動もあまりできなかったのだろうなと営業部員としては考えてしまいます。先日文庫化されたので、この機会に一人でも多くの方に読んでいただけることをいちファンとして願っております。

 そんな感じでことごとく面接に落ち、傷心していた私は、だからでしょうか、書店で普段はあまり読まない自己啓発系の本に目を引かれました菊原智明『面接ではウソをつけ』。面接官に「君の強みを教えてください」と聞かれ「ハ…ハイ………」「コ…コ…コミュニケーション能力ば、ばつぐんです」とうつろな目で答える学生。こ、これは…!この本なら私を優しくなぐさめてくれるのでは…! とすがる思いで購入。昨年、同じように就活で悩んでいた友人にあげてしまって内容を細かくは覚えていないのですが、「面接が苦手」「アピールポイントなんかない」「ねつ造もできない」な就活弱者の私にとっては確実にターニングポイントになった一冊でした。「弱者にこそ戦略を」。自分をより高めよう、という人ではなくて、どん底でもがいている人のための就活本。ウソみたいなホントの話で、この本を読んでから受けたのがいま勤めている会社です。出版社では一社目の内定でした。

 余談ですが、河出の最終面接で「最近読んだおもしろい本は?」と聞かれて、「も、森絵都さんの『この男』です!」と緊張のあまり答えた私。当時面接官だった常務に、「あんた、好きな作家に森さんって書いてあるけど、ほんとか? 『この女』だろ。男と女、二分の一だろ。そんなの間違うか、普通よお」とつっこまれ…。本当に、私、呪われているとしか思えません。ここでばっちり宣伝いたしましたので(なっているかはわからないですが)許してください、神様。(河出書房新社営業部 山本晴日)



『優雅なのかどうか、わからない』松家仁之 マガジンハウス 9784838726936 ¥1,600+税
 48歳にして再び独身になった主人公、匡(ただし)は、吉祥寺にある古い一軒家を老婦人に借り受け、自分好みに改装を始める。気楽な一人
暮らしは、順調に滑りだすが、かつての恋人、佳奈とばったり再会。佳奈は、父親とふたりで同じ町に住んでいた……。(マガジンハウスHPより)

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松家仁之さんの新刊! 最初の一ページを開くのに胸の高鳴りがおさえられないほど、待ち望んでいた新刊です。
改めて名前は 〝 まついえ まさし 〟 と読みます。
読めない・・・ですよねぇ。いつも説明するたびに読めない! と言われ、そうでしょうそうでしょう! 読めないんですよ。となぜかわたしが自慢するという流れ・・・。
しかし、名前が読めないとなかなか覚えてもらえない。
作風もコップをテーブルにことりと置く音すら響いてくるような、静けさのあるものが多くて(そこがいいのだけれど)おすすめするのがとんでもなく難しい人なんだよなー。とほほ。

実はいつも表紙にもこだわりがあって、どうしてこの表紙になったのかということを知るとまた作品に対しての愛着も増すようになるんですけど・・・。
今回はショートカットの女性。無邪気でいてこちらの心を見透かしているかのような大胆なまなざしが印象的なこのひとはミア・ファローというアメリカの女優さん。代表作は『ローズマリーの赤ちゃん』。あぁ!と思った方多いのではないでしょうか。
なぜこの人が表紙なのかというと、主人公が恋に落ちる 〝 佳奈 〟 のイメージがミア・ファローにそっくり重なるからだそう。
読んでみるとよくわかります。そのベリーショートも横からのぞくかわいい耳も。それからちょっと下からのぞくように見上げる大きな目も。
あぁ、これは恋に落ちるわ。と女のわたしも納得。
今作は誰もが楽しめる、大人のかわいいラブストーリーです。

匡(ただし)は40代で離婚し、井の頭公園近くの古い民家を借りて住み始める。家の形があればどんな風に改築しても構わないという変わり者の大家、園田さんの意向で、好きなように手を入れ、古い家に息を吹き込んでゆく。
そんな中、むかし交際していた佳奈と偶然再会。
このときの高鳴る鼓動を押さえようとする、匡がまたものすごくかわいいのだ。
佳奈に食事に誘われたりすると、もう一日中妄想してしまったりするんだけど、かたや必死で、期待するな期待するなと諭している自分もいて・・・。
匡、かわいい! となってしまう。おっさんだけど。
そして気になるのは匡の妄想の中にところどころ出てくるなぞの宇宙人。
いや、ほんとびっくりするくらいさりげなく、今ここで宇宙人がぼくたちのことを見ていたら・・・と思うだろう。とかってちょいちょい宇宙人目線が出てくるのだ。
なんなのだ匡。なぜそんなに宇宙人が気になるのだ。
でもまぁ人間わりとそういうくだらない妄想をしているもんなのかもしれない。

そうそう、もう一人(一匹)忘れちゃいけないのが。猫のふみ。掠れ声でカカカ・・・と鳴く園田さんにエサをもらっていた野良猫。
でも猫は人になつくんじゃなく、土地になつくものということで、住人が匡になるとすいっという身軽さで匡にエサをもらい、すっかり生活にとけ込んでゆく。
このふみちゃんが地面でメイクブレッド(英語でねこが前足をふみふみする仕草をそう言うらしい)しちゃうところは、読んでいて光景が浮かんできて思わず頬がゆるみます。
ねこは不思議な行き物だな。人の心に知らないうちにすっと入ってきて、あたたかくしてくれたりする。特に何をするわけでもなくただそこにいるだけなのに。

この小説誰か大切な人にあげるとそのままラブレターになるんじゃないかな。
恋愛小説って数あるけど、現実は想いが実ればゴールじゃない。ましてや結婚がゴールってわけでもない。
その先を見据えて人生をともにすごす人のことを考えるとおのずと家というのは重要なキーワードになってきます。匡も最初は自分が気持ちよく過ごせる家を求めていたのが、佳奈のことそしてその親のことを考えるように。
人は一人では生きられない。そう思います。
ぱちぱちとはぜる暖炉の火のように、一度ついたら長くあたたかく続くようなそんな関係は素敵だと思わせてくれる一冊です。(酒井七海)



『凸凹デイズ』山本幸久 文春文庫 9784167753450 ¥581 + 税
たった3人の弱小デザイン事務所に一大チャンスがやってきた。凪海とオータキ、ふたつの青春が10年を隔てて交錯する凹組クロニクル。(文藝春秋HPより)

『寿フォーエバー』山本幸久 河出文庫 9784309413136 ¥740 + 税
時代遅れの結婚式場で他人の幸せのために働く靖子の毎日は、カップルの破局の危機や近隣のライバル店のことなど難題続きで……結婚式の舞台裏を描く、笑いあり涙ありのハッピーお仕事小説!(河出書房新社HPより)

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 努力は必ず実を結ぶ、というのはきれい事だと思うんだ。だって、努力をすれば常に良い結果が出るのだとしたら、負けてしまった高校球児は皆、努力が足りなかったってことになるけど、そうなのか? 契約が取れなかった営業マンは皆、手抜きをしていたってことなのか? 就活でつまづいた学生たちは皆、頑張っていなかったってことなのか?
 そーじゃねーだろ、と思う訳だ。
 そりゃあ中には努力不足だった連中もたくさんいるだろう。だけどそうではなくて、頑張ったけど、本当に寝る間も惜しんでやり抜いたけど、それでも上手くいかなかったという人たちだって、同じくらいたくさんいるのではなかろうか。ってか、いるでしょ絶対。

 だからね、〝 努力は必ず実を結ぶ 〟 っていうのは嘘だと思う。この世の中には、どんなに努力を積み重ねても、上手くいかないことはたくさん在る。

 ならば努力をすることは無駄なのか? と問われれば、胸を張って「否」と答えたい。矛盾はしていない。努力が必ずしも実を結ぶとは限らないけど、努力をしないよりかは上手くいく可能性は高まる筈だし、それより何より、仮に上手くいかなかったとしても、胸の中に残る 〝 俺は頑張り通すことが出来た 〟 という記憶はいつかきっと、自分自身を助けてくれるに違いない。

 だから、努力が必ずしも実を結ぶとは限らないけど、努力をすることは無駄ではない。そう思う。

 そこら辺を毎度毎度、実に上手く描いてくれる作家さんの一人として、山本幸久さんの名前を挙げたい。
 代表作の『凸凹デイズ』(文春文庫)を読めば、それはすぐに解って貰える筈である。従業員僅か三人のデザイン事務所「凹組(ボコグミ)」は、スーパーの特売のチラシからエロ雑誌のレイアウトまで来るものは拒まずに何でも受注しないと食っていけない弱小企業。そこの新人デザイナーの凪海(ナミと読むそうです。いい名前だなぁ)、その凪海が、ライバル会社の女社長との初対面で一人密かに消沈する。〝 どんだけ努力したって、あたしはこの女性の地位にたどりつけないんだ 〟 と。〝 あと十年たってあたしはこんな風になっているだろうか。無理無理、と心の中のヒクツ虫が囁く 〟 と。
 この感覚、解る! って人、結構いるんじゃないかな。

 だけどねぇ、生き甲斐とか遣り甲斐とか充実感とか達成感とか、必ずしも地位とか名誉とか財産とかにだけ付随するものではないと、山本幸久さんは言っている。いや、そう書いてある訳じゃないけど、そういう励ましが行間に溢れてる。
 ならば前記の凪海は、吹けば飛ぶような弱小企業で、碌にボーナスも出ないような悲惨な経営状態の事務所で、どんな遣り甲斐を手に入れるのか? それは読んでのお楽しみにしておくけれども、一つのヒントは「自分の居場所」。『凸凹デイズ』という作品は、お仕事系青春小説の体裁をとりながら実は、登場人物一人一人が「自分の居場所」を作り上げていく過程を描き、そこで出逢った人たちと信頼を築き上げていく姿を通して、我々庶民のちっぽけな人生を全面的に応援している文学だと思っている。何しろラストの爽快感はハンパではなく、読後はきっと自分自身の人生を肯定したくなっていること請け合いだ。

 その「凹組」が数年後、意外なところで活躍しているのを目撃したので、紹介したい。紙数が無いので駆け足だが、昭和の香り漂う時代遅れの結婚式場に勤めるアラサー独身女子、井倉靖子のお仕事ライフを描いた『寿フォーエバー』(河出文庫)。読み始めてすぐに、彼女の会社のライバルとなる洗練された結婚式場が登場するのだけれど、そこをプロデュースしたのがなんと「凹組」! 凪海だけじゃなく、あのメンバーもこのメンバーもひょこひょこと顔を出し、おまけに彼と彼女がこ~んな展開になるなんて一体誰が予想出来ようか!
 っとと、ネタばらしはここまでここまで。ただ一点、最後に付け加えておきたいのは、庶民の味方・山本節はここでも健在。靖子の上司が靖子を優しく諭す場面を引いて、駆け足ながら本書の紹介を終わりにしましょう。

〝 言っとくけどな、おれはおまえのこと、仕事ができる優秀な人材だなんて、これっぽっちも思ってないんだぞ。(中略)おれ達四人はチームなんだ。個々に飛び抜けた才能があるわけじゃない。ふつうだ。でも力をあわせれば、たいがいのことはできるはずだ。チームの力を信じろ。いいな 〟
(沢田史郎)



『用具係 入来祐作 ~僕には野球しかない~』入来祐作 講談社 9784062190558 ¥1,400+税

 輝かしいプロ野球選手としてのキャリアから、裏方への転身。日々、慣れない仕事に苦しみ、悩み、何度も心が折れそうになるが、“僕には野球しかない”と、そんな不器用な生き方しかできない男だからこそたどり着いた、自分らしい生き方。裏方に徹し、黙々と仕事に取り組む現在の彼の姿は、人々に感動を与え、忘れてはいけない裏方の存在を教えてくれる。(講談社HPより)

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【俺はここでしか生きられないんだから、ここからもう一度、頑張るしかない】

 そんな覚悟が出来てしまえば、きっと生きるのは随分ラクになるんだろうな、と思う。いや、ラクと言うと語弊があるかも知れないけど、隣の芝生が実際以上に青く見えたり、逆に自分の花の色が隣のそれよりもくすんで見えたりなどして、無駄に神経をすり減らすことは無くなるのではないかと思うのだ。
 或いは。自分の居場所はここではないと思い込み、在りもしない 〝 理想のどこか 〟 を探して右顧左眄したり、自分の力が足りないのではなく周りが自分の良さを見抜けないだけだなどと、根拠薄弱な自信で安いプライドを満足させたりする必要も、きっと随分と減るだろう。

 と、解ってはいるのだ、頭では。解ってはいても、感情がついていかないのが普通ではなかろうか。

 ところが、だ。その 〝 決め難い覚悟 〟 を決めて、更に、決めただけでは終わらずに実行してみせたのがこの人だ。元・讀賣巨人軍の背番号20番、入来祐作投手。余程の野球ファンでない限り、言われて初めて「おぉ、そう言えばそんなピッチャーがいたな」という程度かも知れない。その入来選手が、もとい、入来・元選手が、今はDNAベイスターズの用具係をやっているというから驚いた。
 缶コーヒーのBOSSのCMでもちょっと話題になったらしいが、テレビを殆ど見ない私はそのCMは全く知らなかったし、野球というスポーツは好きだけど特にジャイアンツのファンという訳でもなく、ましてや入来選手のことなどほぼ完全に忘却の彼方だったのだけれど、本書には惹かれた。
 200勝とかノーヒットノーランとか、そういう絢爛たる実績がある訳ではないけれど、それでも一時は最多勝争いまでしたプロ選手が、引退して用具係をやっている。そこに至るまでにはどんな葛藤があって、どうやってそれを乗り越えたのか。それを知りたくって貪るように二度読んだ。

【自分が「こうなりたい」と思うだけで何でも実現できるほど、世の中は甘くありません】
と、入来さんは言う。また、
【自分が人からどう見られているかは「関係ない」とは言いませんが、一番大切な部分ではありません】
とも言い切る。そりゃそうだ、と私も思う。思いはするが、それを即、行動に結び付けられるか? フツーは無理でしょ。勿論、入来さんだって最初は無理だった。プライドも邪魔しただろうし、世間の評判も気になっただろうし、この間まで同じグラウンドに立っていた仲間との会話だって相当ギクシャクしただろうことは、決して想像に難くない。
 そんな様々な葛藤の末に入来さんが辿り着いたのが、冒頭に紹介した決意表明。俺はここでしか生きられない、即ち、グラウンドの上で野球と関わることでしか生きられないと気付いた時、入来さんの迷いも悩みも吹っ切れる。当然ながら最初はたくさん失敗した。そして、失敗する度に謙虚になっていく。自分が置かれた境遇を決して周りのせいにはせず、むしろ、今の場所で何が出来るか、どうすれば周りに必要だと思って貰えるかを、真摯に考えて生真面目に実行する。その過程が本当に見習いたいぐらいに清々しい。事ある毎に「だって」「でも」「どうせ」を連発してきた自分自身に、入来さんの爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいぐらいだ。

 小学生の頃のリトルリーグから始まって、野球の名門PL学園、亜細亜大学、本田技研でエースを努め、ドラフト一位でジャイアンツに入団し、メジャーに挑戦して夢破れ、ベイスターズで再起を期すも叶わず引退。そして用具係としての六年間。そんな野球人生を語り尽くした最後の最後に、入来さんはこう記している。
【しかし今、裏方を6年近く続けてきた中で、意外と私自身が「今の自分」を好きになっていることにも気がつくことができました】
 そういう生き方を、私も目指してみたいと思った。(沢田史郎)



(*`▽´*) (∩.∩) ┐(´ー)┌ (*´∀`) (*`▽´*) (∩.∩) ┐(´ー)┌ (*´∀`) 

以下、出版情報は『読書日和 10月号』製作時のもです。タイトル、価格、発売日など変更になっているかも知れませんので、ご注意ください。


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by dokusho-biyori | 2014-09-27 10:24 | バックナンバー | Comments(0)
『読書日和 10月号』 多分、今夜仕上がります!
多分。
明日の夕方には、配布始められるでしょう。
多分。

それまではこちら。
今月号の表紙と本文の背景イラストを
先にお楽しみ頂ければな、と。

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by dokusho-biyori | 2014-09-26 23:07 | サワダのひとりごと | Comments(0)
版元さんからお許しを頂いて、
発売前の原稿(ゲラ)をちょっとだけコピーしてお配りしてる
“ ちょいゲラ ” のコーナーを、少し模様替えしました。

コルクボードを使っていた頃は、多くても4つまでしか置けなかったんですが、
これで、もう2つ、3つは置けるようになりました。
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そして今までは、「ちょいゲラ」を配っていた作品が、
発売後はそれぞれの売り場に散ってしまっていたので、
せっかく「ちょいゲラ」で面白そうだと思っても、上手く探せない、、、
なんてケースもあったのではないかと思います。

だもんで、「ちょいゲラ」を配っていた作品は一ヶ所にまとめるように改めました。
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こんなことぐらいもっと早くやれよ、と自分でも思わないでもないですが。
気付くのが遅くて、すみませんすみません。

因みに現在お配りしているのは「ちょいゲラ」は

『居酒屋ぼったくり』(秋川滝美、アルファポリス)の2巻

『戦力外捜査官3 ゼロの日に叫ぶ』(似鳥鶏、河出書房新社)

『誉れ高き勇敢なブルーよ』(本城雅人、東京創元社)

『3時のアッコちゃん』(柚木麻子、双葉社)

『奇跡の人 The Miracle Worker』(原田マハ、双葉社)

の5つです。気になる作家さんや作品があれば
是非持って帰ってゆっくり吟味して下さい。タダですし。

そんな訳で、『読書日和』を始めとしたフリーペーパーコーナーが、
こんな感じで、地味にリニューアル致しました。
今後なお一層のご贔屓にあずかれますように。
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その『読書日和』の10月号ですが、只今鋭意作成中です。
目次は、こんな感じ。完成まで、もう少しお待ち下さいませ。
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↑ 赤い線は、レイアウトを決める際の基準線で、最後には消します。



あ、そうそう。全然関係ありませんが、
東京マラソンの抽選に見事にハズレました(泣)。
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by dokusho-biyori | 2014-09-25 17:30 | サワダのひとりごと | Comments(0)
おはようございます。

はるな檸檬さんって、マンガ家をご存知ですか?
まだね、ほぼ新人さんらしいんですけどね。
どうやら、東村アキコさんの許で修業を積んだらしいです。
東村さん、最近も『東京タラレバ娘』(講談社)が出て、売れてますね。
いわゆる、人気マンガ家さんの一人と言っていいでしょう。

で、その東村さんのお弟子さんのはるな檸檬さんが
新潮社の文芸雑誌『yom yom』に連載していたのが
『れもん、よむもん!』

著者の幼い頃からの読書遍歴が愉快なエッセイ風コミックとして描かれます。
紹介されるのは、ロアルド・ダールさんから椎名誠さんから村上龍さんから山田詠美さんから
もう四方八方てんこ盛り。


そして、毎回必ず吹き出します。笑えます。
これ、本好きなら「解る! その気持ち非常によく解る!」って人、たくさんいる筈。

既に発売されておりますが、ちょっと試し読みしたい、という方はこちら。
「はれどく」が、新潮社さんからお許し頂いて、掲載しております。

それともう一つ。
檸檬さんの担当編集者さんから頂いたのが、こちら。
檸檬さんからの、読者のみなさんへのメッセージ(笑)。
どうぞお楽しみ下さいませ。
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by dokusho-biyori | 2014-09-24 08:32 | サワダのひとりごと | Comments(0)
ほぼ四半世紀前の1991年、大学生だった私が、初めて声を出して爆笑してしまった本。それが、椎名誠さんの『哀愁の町に霧が降るのだ』(小学館文庫)という作品でした。当時は新潮文庫になったばっかりで、今は無き水道橋の旭屋さんで椎名誠さんのフェアをやってました。私は書店で働いたことなど全く無く(そして勿論、将来書店で働くことになるなどとも予想だにせず)、書店の「フェア」というものが何なのかも解らずに、ただ「同じ人の本がいっぱい並んでるな」としか思わずに、その中の一冊を何の気なしに手に取った。そういう出会い方でした。

読んでみると、ビールのCMなどでちらちらと見かけてはいた椎名誠なる作家が若かりし頃、6畳一間の風呂無しトイレ共同、日当たり最悪というボロアパートで、仲間同士四人で共同生活を送った、その回想記でした。これがまァ何と言うか、若さ故のハチャメチャさと馬鹿馬鹿しさに満ちていて、それでいて時に切なくて、世の中にこんな面白い小説があるのか!? と、まさに衝撃的でした。

で、なんで今頃そんな話をするのかと言うと、今日、本棚を整理していたら懐かしいものが出て来たんですね。じゃじゃん!
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上記、旭屋さんのフェアで購入した雑誌で、『DENTISTS' Siesta』の創刊号。なんだかよく解りませんが、「歯医者さんのための休日情報誌」という惹句がありますね。どうも、一般の書店では、通常流通していない商品、だったようです。よく解りませんが(笑)。

この雑誌が一体何なのか? そして、何故旭屋さんの椎名誠フェアで売られていたのか? それはですね、じゃじゃん!
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じゃじゃじゃん!
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といった具合に、大々的に椎名さんを特集しているんですね。当時の旭屋の担当さん、よくもこんな雑誌まで見つけてきましたね。

それにしても、椎名さんカッコイイな! まだ二十歳そこそこだった私は、将来はこういう大人になりたいと、本気で憧れまくりました。
こうして椎名さんと椎名作品にハマりまくって大学生活そっちのけで本ばかり読んで過ごしていた訳ですが、上記『哀愁の町』に出会ってから数か月後。今度は新潮社が素晴らしいものを出してくれたんですね。それがこちら。じゃじゃじゃん!
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『小説新潮 椎名誠の増刊号』 その名の通り、特集だとかスペシャルだとかいうセコい話ではなく、一冊まるごと椎名誠づくし! 対談だとか、特別書き下ろしエッセイだとか、サラリーマン時代の写真だとか、当時(1992年時点)の全著作ガイドだとか、もうてんこ盛り。

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これは、どこぞの島でくつろぐ椎名さん。キャプション読めます? 【南の島では銭湯が気持ちいい。片方が裸足だともっといい。】 って書いてあります(笑)。

そして、じゃじゃじゃじゃーん!
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『哀愁の町』でも非常に重要な役割を果たす、あの「克美荘日記」が、現存していたんですねー! これがその写真。1966年とか書いてありますね。私、生まれてませんわ。

そんなこんなで、懐かしさに浸りつつ貴重なシーナ本を自慢するのが、今日のひとりごとの趣旨でした。それにしても、『哀愁の町』を復刊した小学館はエラい! と思います。
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by dokusho-biyori | 2014-09-22 19:34 | サワダのひとりごと | Comments(0)

旅に出たくなる写真集

PIE International という出版社の写真集が好きです。中でも世界中の風景を扱った作品は、海だろうと山だろうと或いは街中だろうと、見ているだけで旅に出たような気分を味わわせてくれるので、何度めくっても飽きません。

だもんだから、地図ガイドのコーナーの旅行エッセイの棚の横に、PIE International の写真集を使って 「 旅に出たくなる写真集 」 のミニフェアを常設してます。
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一緒にPIE International のカタログも置いてあるんですが、これがまたフルカラーで無料配布物とは思えない豪華な作り。カタログだけでも一見の価値アリなので、是非ともお持ち帰り下さいませ。
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私自身は、ベルンハルト・M・シュミッドさんという写真家さんの作品が好きです。とりわけ、世界中の道を集めた 『 道のむこう 』 とか 『 明日へつづく道 』 なんかは、写真そのものも勿論素敵なんですが、「 こんな場所、よく見つけたなぁ 」 という知られざる絶景ばっかりで、こんな道をジョギングしたり、サイクリングしたり、或いはバイクでツーリングしたりしたら、さぞ気持ちいいだろうな~~~。

そんな訳で、旅にでたくなる写真集、おすすめです。



そうそう、ついでながらもう一つ紹介。旅と言えば、ご存知 『 はれどく 』 の旅好き女子たちが “ 女子、旅、読書 ” というテーマで行った座談会がありまして、面白おかしい体験談で大いに盛り上がっておりますので、こちらもお薦めしておきます。
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by dokusho-biyori | 2014-09-20 21:45 | サワダのひとりごと | Comments(0)
『機龍警察』(ハヤカワ文庫)などで人気の月村了衛さんの最新作が、『土漠の花』(幻冬舎)
砂漠ではなく “ 土漠 ” というのがあるそうですな。砂じゃなくて、土。

アフリカ大陸の北東部、“ アフリカの角 ” とも呼ばれているソマリアの土漠を舞台に描かれる、陸上自衛隊の絶望的な戦い……。
とか言いつつ、実は私は未読で、『 読書日和 』 のもう一人のレギュラー・酒井が読んでハマッて熱くなって、遂に売り場に “ プチ土漠 ” を演出しました(笑)。
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アップにすると、こう ↓
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書店員仲間からは 「 ドッグフードっぽい 」 とか 「 麦チョコみたい 」 とか言われておりますが(笑)、一応 “ 土漠 ” のつもりです。
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by dokusho-biyori | 2014-09-20 06:40 | サワダのひとりごと | Comments(0)
沢木冬吾さんの最高傑作にして、犬文学の永遠の名作、本書を読んで感動せずんば人に非ずとまで言われている(うそ)、『約束の森』の追加注文分がようやく入荷したでござる!

で、まずは巻かれている帯を、外す、外す、外す。あ、この帯の惹句、俺が書いたんだけどまぁいいや(笑)。夏の100冊の帯だし。
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で、すっかり帯をむき終わったのがこちら。
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そして、帯をはいでいる間に印刷しておいたのがこちら。
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『約束の森』が好きで好きでたまらない書店員がチェーンの枠も地域も飛び越えて作った、勝手に応援帯。私を含め7人の書店員がコメントを書いて、『読書日和』や『晴読雨読』の表紙でお馴染み(?)弊店の村上が、主要登場人物のイラスト手がけました。念の為申し上げておきますが、版元に頼まれた訳ではないですよ、断じて。私らが好きで勝手にやったことです。

元々はA3で印刷して単行本に使っていたんですが、A4で印刷すれば文庫にも使用可能(気持ちズレますが)。

ということで、次の作業は巻く、巻く、巻く。
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そして、全て巻き終わり。
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陳列して作業完了!
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ホント、10年に一度の大傑作だから、騙されたと思って読んでみて下さい! 因みに私は、三回読んで三回とも号泣しました。

帯が欲しい! という方は、こちらから勝手にダウンロードして使って下さいませ。
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by dokusho-biyori | 2014-09-19 00:16 | サワダのひとりごと | Comments(0)

学びて思わざれば

古今東西の格言、名言の類が好きなんですが、それらを紹介した本でイチオシなのがこちら。
『中国的名言を4コマ漫画にしてみた。』(藤井誠二、明治書院)
このテの笑わせ方に弱い体質なので、もう十回ぐらい読んでるけど未だに笑えます。しかも、ちゃんと語句の解説もしてあるから、結構勉強にもなる。参考までに、好きなページを一ヶ所だけご紹介しましょう。
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機会がある度に平積みして、隙あらば売ろうとしてます。爆発的に大ヒットした訳ではないけど、今後もコツコツと販売して行きたい本の一つですね。
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by dokusho-biyori | 2014-09-18 10:03 | サワダのひとりごと | Comments(0)

はれどくvol.7

ででん!
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全国書店員読書ユニット「晴読雨読」による、季刊フリーペーパー『はれどく』の7号が完成しました! 本日(9/14)夕方より、文芸書新刊台前のフリーペーパーコーナーで配布しています。取り敢えず、当面の間は豪華フルカラーですので、お早めに。

しかしまぁ、中には一度も顔を会わせたこともないような30人からの書店員が、北は北海道から南は大分まで、地域も年齢もチェーンの枠も取り払ってしかも全員ノーギャラで当然会社から授けられた業務ではないから完全にプライベートを費やして、創刊号が2013年3月5日だったか6日だったかだから、ちょうど1年半。

ナントカ大賞みたいに順位を付けるのではなく、「これもいいけど、あれも捨てがたいよね」という推薦の仕方が一つぐらいあっても良いんじゃないかと思って始めましたが、まぁ、モノ好きな参加メンバーのお蔭で続いております。

勿論、我々のような文章の素人がノリで書いたようなものを嬉々として持って帰って貰えることが、メンバー全員のモチベーションになっていることは、言うまでもありません。いつもありがとうございます。

これからも宜しくお願い致します。

『はれどく』のバックナンバーはこちらで!
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by dokusho-biyori | 2014-09-15 04:59 | サワダのひとりごと | Comments(0)