カテゴリ:開催中フェア( 8 )


なぜ僕たちは差別を無くせないのだろう

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『アメリカの黒人演説集』編訳=荒このみ 岩波文庫
『ヘイト・スピーチとは何か』師岡康子 岩波新書


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『Go』金城一紀 角川文庫
『優生学と人間社会』米本昌平 講談社現代新書


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『中世の非人と遊女』網野善彦 講談社学術文庫
『アフリカの蹄』帚木蓬生 講談社文庫


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『野中広務 差別と権力』魚住昭 講談社文庫
『在日』姜尚中 集英社文庫


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『カラーパープル』アリス・ウォーカー 訳=柳沢由実子 集英社文庫
『ヘルプ』キャスリン・ストケット 訳=栗原百代 集英社文庫


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『ソハの地下水道』ロバート・マーシャル 訳=杉田七重 集英社文庫
『蝦夷地別件』船戸与一 小学館文庫


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『破戒』島崎藤村 新潮文庫
『橋のない川』住井すゑ 新潮文庫


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『神の棘』須賀しのぶ 新潮文庫
『ある奴隷少女に起こった出来事』ハリエット・アン・ジェイコブズ 訳=堀越ゆき 新潮文庫


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『私家版差別語辞典』上原善広 新潮選書
『アメリカ黒人の歴史』上杉忍 中公新書


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『狩りの時代』津島佑子 文藝春秋
『はじめての部落問題』角岡伸彦 文春新書


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『日本の路地を旅する』上原善広 文春文庫
『人間の測りまちがい』スティーヴン・J・グールド 訳=鈴木善次、森脇靖子 河出文庫


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『緑と赤』深沢潮 実業之日本社
『LGBTを読みとく』森山至貴 ちくま新書


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『「いじめ」や「差別」をなくすためにできること』香山リカ ちくまプリマー新書
『カモメに飛ぶことを教えた猫』ルイス・セプルベダ 訳=河野万里子 白水Uブックス


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『差別の現在』好井裕明 平凡社新書
『クー・クラックス・クラン』浜本隆三 平凡社新書


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『あん』ドリアン助川 ポプラ文庫
『13歳のホロコースト』エヴァ・スローニム 訳=那波かおり 亜紀書房


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『アラバマ物語』ハーパー・リー 訳=菊池重三郎 暮しの手帖社
『てっちゃん』権徹 彩流社


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『ショコラ』ジェラール・ノワリエル 訳=舘葉月 集英社インターナショナル
『ぼくらは壁を飛びこえて』シンシア・レヴィンソン 訳=金原瑞人 文渓堂


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『カミングアウト・レターズ』Ryoji、砂川秀樹 太郎次郎社
『LGBTなんでも聞いてみよう』QWRC、徳永桂子 子どもの未来社

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『彼らが本気で編むときは、』荻上直子、百瀬しのぶ パルコ出版
『ゴーマニズム宣言差別論スペシャル』小林よしのり 幻冬舎文庫


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『顔ニモマケズ』水野敬也 文響社
『わたしはあかねこ』サトシン、西村敏雄 文渓堂


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by dokusho-biyori | 2017-09-30 10:06 | 開催中フェア | Comments(0)

日本と世界の3大〇〇

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『虚無への供物』中井英夫 講談社文庫
『黒死館殺人事件』小栗虫太郎 河出文庫
『ドグラ・マグラ』夢野久作 角川文庫


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『西遊記』呉承恩 訳=小沢章友、山田章博 講談社青い鳥文庫
『三国志演義』羅貫中 訳=井波律子 講談社学術文庫
『水滸伝』訳=井波律子 講談社学術文庫


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『アフターマン』ドゥーガル・ディクソン 訳=今泉吉典 ダイヤモンド社(絶版)
『平行植物』レオ・レオニ 訳=宮本淳 工作舎
『鼻行類』ハラルト・シュテュンプケ 訳=日高敏隆、羽田節子 平凡社ライブラリー


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『神曲』ダンテ・アリギエーリ 訳=三浦逸雄 角川ソフィア文庫
『ファウスト』ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ 訳=高橋義孝 新潮文庫
『ロミオとジュリエット』ウィリアム・シェイクスピア 訳=中野好夫 新潮文庫


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『夏への扉』ロバート・A・ハインライン 訳=小尾芙佐 早川書房
『2001年宇宙の旅』アーサー・チャールズ・クラーク 訳=伊藤典夫 ハヤカワ文庫SF
『われはロボット』アイザック・アシモフ 訳=小尾芙佐 ハヤカワ文庫SF


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『ゲド戦記』アーシュラ.K.ル=グウィン 訳=清水真砂子 岩波少年文庫
『ナルニア国物語』C・S・ルイス 訳=土屋京子 光文社古典新訳文庫
『指輪物語』J・R・R・トールキン 訳=瀬田貞二、田中明子 評論社文庫


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『トルコ大使の食卓』東京ニュース通信社
『パリっ子の食卓』佐藤真 河出書房新社
『FOOD DICTIONARY――中華』枻出版社


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『奇跡の紅茶専門店』荒川祐二 マガジンハウス
『コーヒーが冷めないうちに』川口俊和 サンマーク出版
『木曜日にはココアを』青山美智子 宝島社


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『象牙色の嘲笑』ロス・マクドナルド 訳=小鷹信光、松下祥子 ハヤカワ・ミステリ文庫
『長いお別れ』レーモンド・チャンドラー 訳=清水俊二 ハヤカワ・ミステリ文庫
『マルタの鷹』ダシール・ハメット 訳=小鷹信光 ハヤカワ・ミステリ文庫


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『刺青殺人事件』高木彬光 光文社文庫
「D坂の殺人事件」(『明智小五郎事件簿1』所収)江戸川乱歩 集英社文庫
『本陣殺人事件』横溝正史 角川文庫


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『スタイルズ荘の怪事件』アガサ・クリスティー 訳=矢沢聖子 ハヤカワ・クリスティー文庫
『緋色の研究』アーサー・コナン・ドイル 訳=深町真理子 創元推理文庫
『ローマ帽子の秘密』エラリ・クイーン 訳=越前敏弥、青木創 角川文庫


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『日本文学全集7 枕草子/方丈記/徒然草』訳=酒井順子、高橋源一郎、内田樹 河出書房新社
『図説ゼロからわかる三大宗教の読み方』世界情勢を読む会、茂木誠 実務教育出版


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『雲は湧き、光あふれて』須賀しのぶ 集英社オレンジ文庫
『武士道シックスティーン』誉田哲也 文春文庫
『ホケツ!』小野寺史宜 祥伝社

























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by dokusho-biyori | 2017-09-25 06:35 | 開催中フェア | Comments(0)

月がとっても蒼いから

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『農協月へ行く 』筒井康隆 角川文庫
『李陵・山月記・弟子・名人伝』中島敦 角川文庫


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『月からきたうさぎ』作=みなみらんぼう 絵=黒井健 学研プラス
『月の都市伝説』並木伸一郎 学研プラス


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『世界はなぜ月をめざすのか』佐伯和人 講談社ブルーバックス
『月に吠えらんねえ』清家雪子 講談社アフタヌーンKC


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『溺れる月』新野剛志 小学館
『月光浴 青い星』石川賢治 小学館


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『絵のない絵本』ハンス・クリスチャン・アンデルセン 訳=矢崎源九郎 新潮文庫
『月をめざした二人の科学者』的川泰宣 中公新書


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『月は無慈悲な夜の女王』ロバート・A・ハインライン 訳=矢野徹 ハヤカワ文庫SF
『月世界小説』牧野修 ハヤカワ文庫JA


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『月のしずく』浅田次郎 文春文庫
『アポロ11号』ピアース・ビゾニー 訳=日暮雅通 河出書房新社


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『竹取物語』訳=川端康成 河出文庫
『天体嗜好症』稲垣足穂 河出文庫


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『月影の迷路』リズ・ベリー 訳=田中美保子 国書刊行会
『がらくた屋と月の夜話』谷瑞恵 幻冬舎


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『月』榎本司 誠文堂新光社
『幻視行 月の都、京都』藤川桂介 淡交社


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『もしも月がなかったら』ニール・F・カミンズ 訳=増田まもる 監修=竹内均 東京書籍
『もしも月が2つあったなら』ニール・F・カミンズ 訳=増田まもる 監修=佐藤勝彦 東京書籍


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『月世界へ行く』ジュール・ヴェルヌ 訳=江口清 創元SF文庫
『100%月世界少年』スティーヴン・タニー 訳=茂木健 創元SF文庫


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『月の歩きかた』マイケル・カーロヴィッツ 訳=松井貴子 二見書房
『13カ月と13週と13日と満月の夜』アレックス・シアラー 訳=金原瑞人 求龍堂


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『The Real Moon月の素顔』沼沢茂美、脇屋奈々代 小学館クリエイティブ
『月に吠える』萩原朔太郎 日本図書センター


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『月の時間』森光伸 光村推古書院
『幸せを呼ぶ月の暦』著=Kei 絵=おおたうに ワニブックス


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『地球と月』大野友資 青幻舎
『月の名前』高橋順子、佐藤秀明 デコ



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by dokusho-biyori | 2017-09-01 08:50 | 開催中フェア | Comments(0)

山本周五郎賞

フェアって言うほど凝った選書じゃないんですがね、
文庫売り場に山周賞受賞作のコーナーを常設しました。
個人的には、直木賞よりこっちの方が好みの作品が多いの。
いつもの如く小冊子もありますんで、是非、お立ちより下さい。



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『異人たちとの夏』山田太一
『Tugumi』よしもとばなな


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『エトロフ発緊急電』佐々木譲
『ダック・コール』稲見一良
『砂のクロニクル』船戸与一
『火車』宮部みゆき


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『一九三四年冬─乱歩』久世光彦
『閉鎖病棟』帚木蓬生
『家族狩り』天童荒太
『ゴサインタン』篠田節子


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『奪取』真保裕一
『血と骨』梁石日
『エイジ』重松清
『ぼっけえ、きょうてえ』岩井志麻子


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『白い薔薇の淵まで』中山可穂
『五年の梅』乙川優三郎
『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』江國香織
『パレード』吉田修一


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『覘き小平次』京極夏彦
『邂逅の森』熊谷達也
『君たちに明日はない』垣根涼介
『明日の記憶』荻原浩


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『安徳天皇漂海記』宇月原晴明
『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦
『中庭の出来事』恩田陸
『ゴールデンスランバー』伊坂幸太郎


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『果断』今野敏
『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』白石一
『光媒の花』道尾秀介
『後悔と真実の色』貫井徳郎


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『ふがいない僕は空を見た』窪美澄
『楽園のカンヴァス』原田マハ
『残穢』小野不由美
『満願』米澤穂信


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『ナイルパーチの女子会』柚木麻子
『ユートピア』湊かなえ
『明るい夜に出かけて』佐藤多佳子


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by dokusho-biyori | 2017-07-17 06:03 | 開催中フェア | Comments(0)

愛と哀しみの遭難文学

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『エンデュアランス号大漂流』エリザベス・コーディー・キメル 訳=千葉茂樹
『おろしや国酔夢譚』井上靖
『完訳ロビンソン・クルーソー』ダニエル・デフォー 訳=増田義郎
『タイタニック百年目の真実』チャールズ・ペレグリーノ 訳=伊藤綺


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『たった一人の生還』佐野三治
『チャンセラー号の筏』ジュール・ヴェルヌ 訳=榊原晃三
『東京島』桐野夏生
『トルコ軍艦エルトゥールル号の海難』オメル・エルトゥール 訳=山本雅男、植月恵一郎


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「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」エドガー・アラン・ポオ 訳=大西尹明 他
『パイの物語』ヤン・マーテル 訳=唐沢則幸
『蠅の王』ウィリアム・ゴールディング 訳=黒原敏行
『漂流』角幡唯介

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『漂流』吉村昭
『漂流の島』高橋大輔
『アイガー北壁 気象遭難』新田次郎
『植村直己 妻への手紙』植村直己


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『神々の山嶺』夢枕獏
『失踪者』下村敦史
『死のクレバス』ジョー・シンプソン 訳=中村輝子
『すぐそこにある遭難事故』金邦夫


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『聖職の碑』新田次郎
『遭難者』折原一
『遭難のしかた教えます 』丸山晴弘
『大岩壁』笹本稜平


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『凍』沢木耕太郎
『灰色の北壁』真保裕一
「宇宙漂流」小松左京


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by dokusho-biyori | 2017-07-16 11:23 | 開催中フェア | Comments(0)

出し抜け企画・原田マハ『独立記念日』座談会 前編

御用とお急ぎでない方は、さぁお立ち会い!

原田マハさんと言えば、『楽園のカンヴァス』を筆頭に、
『カフーを待ちわびて』とか『キネマの神様』とか『永遠をさがしに』とか、
今年2016も『暗幕のゲルニカ』とか『リーチ先生』とか、
良作傑作を連発していて代表作を一つに絞るのが難しいくらいな訳ですが。

ではそのマさんの『独立記念日』という短編集は、皆さん、ご存知ですか?
年齢も職業も様々な二十数人の女性たちの新しいチャレンジを描いた連作で、
これが、読めば誰もが勇気を貰える素敵な作品!

その『独立記念日』が、この度、装いも新たに大重版されまして、
これを機に、発売元のPHP研究所の二人プラス不肖・沢田が
作品の魅力を存分に語り合いました。

読書日和の出し抜け企画、『独立記念日』座談会、はじまりはじまり。

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沢田
さてお疲れ様です。本日お集まり頂いたのは、三人で原田マハさんの連作短編集『独立記念日』(PHP文芸文庫)の魅力を語り合おうと。

井上
自社本の中でも、特に好きな作品の一つです。

沢田
私もこないだ初めて読んで、なんだこの傑作は! と。書店員として、こういう本はもっと世に知らしめねばならん、と。

兼田
そうまで言って頂けると、編集者冥利に尽きます。

沢田
まぁそんな訳で、まずは軽く自己紹介から。

井上
PHP研究所第一普及本部の井上明日香と申します。簡単に言えば営業職で、丸善津田沼店さんも担当させて頂いております。本日は宜しくお願い致します。

兼田
PHP研究所文藝出版部の兼田将成と申します。この度の『独立記念日』の編集を担当致しました。担当した作品の魅力を編集者自らが語る機会などそうそう無いので、本日は嬉しい反面、おこがましいような気もします。

沢田
そして私、丸善津田沼店の沢田史郎が、進行役も務めさせて頂きます。宜しくお願い致します。
早速ですが、装丁が変わりましたね。

兼田
はい。ゴッホの「花咲くアーモンドの木の枝」という作品です。原田マハさん曰く「大好きなゴッホの作品の中で、もっとも明るく美しい一点を、『独立記念日』の表紙に選びました」とのことです。

沢田
透明感のある青が売り場で映えそうだ。

兼田
「花咲くアーモンドの木の枝」は、ゴッホが、自分の弟に子供が誕生したことがきっかけで描かれた絵画です。「新しい命の誕生」「再生」といった意味が込められています。

井上
様々な立場の女性たちが再スタートを切る『独立記念日』に、まさにぴったりですね!

沢田
で、まずは未読の方の為に、この作品の大雑把な説明が要ると思うんですが。

井上
作中、とある編集者がまさに『独立記念日』という書籍を担当するくだりがありますが、そこでは《 会社とか家族とか恋愛とか、現代社会のさまざまな呪縛から逃れて自由になる人々が主人公の短編集 》と言ってますね。

兼田
文庫の表4(裏表紙)には、こんな紹介を入れました。
《 恋愛や結婚、進路やキャリア、挫折や別れ、病気や大切な人の喪失……。さまざまな年代の女性たちが、それぞれに迷いや悩みを抱えながらも、誰かと出会うことで、何かを見つけることで、今までは「すべて」だと思っていた世界から、自分の殻を破り、人生の再スタートを切る――。寄り道したり、つまずいたりしながらも、独立していく女性たちの姿を鮮やかに描いた、24の心温まる短篇集 》
 
沢田
では、その24の短編の中で、特に印象に残ったのは?

井上
16話目の「おでき」です。

沢田
喫茶店でバイトする大学生の話だ。

井上
地元から大学進学のために上京していたり、私と共通した点が多くて、自分のことを思い出しながら読みました。

沢田
あ、地元どこなの?

井上
私、広島県出身なんです。東京に行きたい! と意気込んで大学進学の際に一人で上京してきたのですが、何か辛いことや悲しいことがあると故郷にいる家族のもとに帰りたくなっていました。

沢田
帰るところがあるって、いいよね。「おでき」は、一人で東京に出ていった次女を遠くから見守る母親の姿が、描写は殆ど無いのに読者に想像させるよね。あれが凄いなぁと思った。なんか、さだまさしの『案山子』を彷彿させられた。
♪ 元気でいるか 街には慣れたか 友だちできたか 寂しかないか お金はあるか 今度いつ帰る~
って、歌わせんなよ(笑)。兼田さんの好きな短編は?

兼田
やはり「幸せの青くもない鳥」でしょうか。この短編は、半分以上が、私の実体験がベースになっているお話なので、思い入れが強いですね。

沢田
え、マジで!? どういうこと?

兼田
北関東のとある町の社会人バスケットボールチームの監督さんをスポーツ・ノンフィクション作家の先生と訪問取材することになったんです。それで、その日の午後、駅に着いて、監督のご自宅にうかがう住宅街の中で、その作家の先生が、「兼田さん、肩にインコがとまってますよ!」って。

沢田
何だそりゃ(笑)。

兼田
「えっ!?」って自分の肩を見たら黄色いインコが! もうびっくりでしたよ。驚きのあまり「ワッ」っと追い払ってしまったんですが、何度追い払っても私の肩に戻ってくるんですよ。そうこうしているうちに監督さんのお宅に着いてしまい、肩に乗せたまま「はじめまして、ご連絡差し上げたPHP研究所の……」とご挨拶しました。

井上
マンガみたいですね(笑)。

兼田
もう、監督さんは、本当に「コイツ何?」って顔をしていましたね。

沢田
そりゃそうだろうね(笑)。

兼田
事情を説明したのち、一旦、監督宅で預かろうかという話も出たんですが、「止まった場所で放せば、インコも飼われていた家にとんで帰るのでは?」ということになり、私が放しに行ったんです。で、せっかくだから記念に、左肩のインコを携帯のカメラで写真に撮ろうって(笑)。

井上
何の記念ですか(笑)。

兼田
そしたら携帯の液晶画面の中に白い軍手がパッと伸びてきて――。「うちのインコです。どうしてあなたが?」と男性に声をかけられました。なんとその方が、インコの飼い主だったんです! なんでも会社を休んで朝から探していたそうです。

沢田
マンガみたいだ(笑)。

兼田
聞けば、同居していたお祖母さんが、朝布団を干そうとしたら、籠に布団が当たって、インコが逃げたらしいんですね。もう、お孫さんが泣いて泣いて仕方がなかったそうで、お父さんであるその男性は朝から探しまわっていたとのことでした。

沢田
お孫さん、喜んだろうねぇ(笑)。

兼田
インコを飼われていたご家族とは今でも年賀状のやり取りがありますし、あの黄色いインコが私の肩に止まった翌日に、弊社刊『利休にたずねよ』(山本兼一 著)が直木賞を受賞したという吉報が舞い込んだので、「あれは幸せの黄色いハンカチならぬ、幸せの黄色いインコだったんだね」と今でも編集長と語り合っています。

井上
本当に、「幸せの青くもない鳥」ですね

兼田
「雪の気配」も好きな短編のひとつです。

沢田
「雪の気配」は、バーテンとしてのキャリアをスタートさせる女性が、人生をカクテルになぞらえる場面があるじゃないですか。

兼田
《 人生、甘くない。苦いし辛いし酸っぱいし、けっこうとんでもない。でも、そういう味をちょっとずつブレンドするからこそ、美味しくなるのよね 》という部分ですね。

沢田
そうそう、それ。いいセリフですよね。

井上
沢田さんは、どの短編がお好きなんですか?

沢田
この短編集、つまらない話が一つも無いから難しいんだけど、頭から読み進めて最初に「あれ!? この本、傑作かも」と思ったのは「真冬の花束」だなぁ。

井上
イジメが絡む、結構、重苦しいお話ですよね。

兼田
主人公は高校の教師で、担任するクラスで一人の女子生徒がどうもイジメの標的になってる気配がある……という、かなり難しい立場ですね。しかも、自分自身も子どもの頃にイジメに遭った体験があるという……。

沢田
イジメられていた中学生時代の回想シーンで、14個のつぼみを持つ菊の花が、或る日いっぺんに開く場面。通勤の車内で読んでて、ズシンと響いた。《 ただそれだけのことだったのに、私は涙した。小さなつぼみが開いただけなのに、私の世界はその瞬間に変った。そんな瞬間が誰にだって訪れる。それは真紀にも等しく訪れるのだ、と教えたかった 》って、ここだけ抜き出しても未読の人には何のことだか分からないだろうけど、読みながら主人公と一緒になって、真紀に向かって声援を送っていた。

兼田
一応、未読の方向けに説明すると、真紀というのが、主人公が担任するクラスでイジメられているっぽい生徒ですね。

沢田
その真紀ちゃんが、主人公にメールするじゃない、武者小路実篤の詩の解釈をめぐって。その何度目かで主人公が《 『正解』思わずつぶやいた。ついでに小さくガッツポーズまでしてしまった 》っていうここの場面で、おいらも本当に小さくガッツポーズしたくなったよ。「ヨッシャ!」って。真紀ちゃん、頑張れ! って。


⇒後編に続く

















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by dokusho-biyori | 2016-11-09 09:39 | 開催中フェア | Comments(0)

出し抜け企画・原田マハ『独立記念日』座談会 後編

⇒前編から続く
 
 
兼田
好きな場面と言えば、私は「空っぽの時間」の中の、ラストシーンが好きです。《 楽しみじゃない? 一から始められるなんて。すごいじゃない? 誰にも頼らないなんて 》という言葉に、連載の原稿をいただいた時、ぱっと目の前が明るくなるような感覚を覚えました。

井上
失業保険を貰いながら次の道を探ってる元同僚に、主人公が言うセリフですね。

沢田
こういう、価値観の大逆転みたいなのって、この作品集のテーマの一つだと思うんです。災い転じて福と為すっつーか、人間万事、塞翁が馬みたいな。

井上
なるほど、そうかもしれないですね。
私は「おでき」の中の、《 特効薬はたぶん、故郷にあるんだ 》というセリフがとても印象に残っています。
実家が東京の友達に「地元(故郷)があるっていいよね」と言われるたびに、「いやいや、実家が東京なの羨ましいよ」と思っていましたが、『独立記念日』のこの箇所を読んで、「故郷があってよかったなあ」という気持ちになりました。これも一つの、価値観の逆転ですよね。

沢田
そう言われて、ふと思ったんだけど、同じ「価値観の逆転」でも2種類あることに気がついた。一つは今井上さんが言ったみたいな、「隣りの芝生は青いと思ってたけど、振り向いて見れば自分の庭も捨てたもんじゃないかも」っていう、何て言うか、他人との比較の上の話。

兼田
第1話の「川向うの駅まで」などは、その典型ですね。川向うの街は、自分が住む町に比べて、なんてオシャレであかぬけているんだろう、と。

沢田
もう一つは完全に自分の中で閉じてる価値観で、例えば第2話の「月とパンケーキ」なんかはこれですね。亭主に先立たれて子どもも亡くして、私は幸せとは無縁なんだって。

井上
どちらのケースも、実際はそうとは限らないと言うか、この先に幸せなことが起こるかも知れないのに、自分で勝手に諦めちゃってる感じなんですよね。

兼田
ただ、生きていく上で悪いことが重なると、「自分はどうせ幸せにはなれない」という気になってしまう時も、誰だってあると思うんです。

沢田
或いは、今がツラいと、周囲の人たちが皆ラクで幸せで楽しげに見えてきたり。「よその会社はボーナスいっぱい貰えていいなぁ」とかね。

井上
そんな時にこの本の主人公たちは、ちょっとしたきっかけから「あれ? 私、それほど不幸じゃないのかも」と気付くんですよね。

沢田
そのきっかけってのが、些細な――ここで言う「些細な」ってのは「周りから見れば」という意味で、本人にとっては決して「些細」ではないのかもしれないけど、とにかく思いがけないことから、自分の未来をもう一度信じてみる気になる、そのプロセスが本当に素敵だし、読者を勇気づけてくれる小説だと思う。

兼田
壁にぶつかって、視野狭窄に陥っているような時にも、一歩下がって眺めれば、その壁は案外低いかもしれませんし、実は壁の端っこに穴が空いていてそこから突破できる、なんてことが見えてくるかもしれませんしね。

井上
あ、深いですね。メモしておきます(笑)。

沢田
第6話「転がる石」で、色々行き詰ってしまった主人公に心療内科の先生が助言しますけど、あれと一緒ですね。
《 『案ずるより産むが易し』ってことわざ、知ってますか? こんなことしたら、こうなっちゃうんじゃないか。こう言ったら、こう言い返されるんじゃないか。そう考えてなかなか行動できない。けど、思い切ってやってみれば、けっこう想像もしなかったほうに、物事っていうのは転がっていくものですよ 》
 
兼田
そういう意味では、この本は頑張ってる女性だけでなく、例えば新生活が始まって新しい職場や学校に戸惑いを覚えている人たちにも、是非読んで貰いたいですね。

井上
私はこの本を読み終えたとき、中高時代の友人に読んでもらいたいなと思いました。

沢田
と言うと?

井上
この間久しぶりに中高時代の友人数名と会う機会があったのですが、みんな様々な悩みを抱えていることに驚いたんです。学生時代は同じ環境で生きていて、抱える悩みも友人関係とか勉強とか似たようなものだったのに、進学したり就職したりそれぞれの道を歩くようになって、みんな様々な壁にぶつかりながら頑張っているんだなあと感慨深くなりました。

沢田
太宰治が「東京八景」の中で、こんなこと言ってるよ。《 人間のプライドの窮極の立脚点は、あれにも、これにも死ぬほど苦しんだ事があります、と言い切れる自覚ではないか 》
 
兼田
辛い思いや悲しい経験も、「あの日があって良かった」と後からそう振り返ることができるようになれば、きっとその日が「独立記念日」に変わって行くのかもしれませんね。

沢田
お、井上さん、メモりなよ(笑)。

兼田
あれ? 話していて思ったけれど、ということは「過去は変えられない」なんて言いますが、確かに、起こった事象を変えることはできないけれど、それをどう受け取るかは変えることができますね。

沢田
あ、それは実感あるわ。もう10年以上前の話だから言っちゃうけど、めちゃくちゃ売れる大規模店から、もっとこじんまりした、売り上げ規模で三分の一程度の店に異動になったことがあって、当初は凄く気落ちしたし、何しろ売り上げ冊数も金額も一気に小さくなったから張り合いが無くって、モチベーションをどこに見つけたらいいか分からなくって苦しんだんだ。

井上
沢田さんにもそんな時代があったんですね。驚きました。

沢田
うん。でも、今はあって良かったと思ってるの。

兼田
それはまたどうして?

沢田
いや、大型店に勤務してる頃のおいら、店の集客力で売っているだけなのに、それを自分の力だと勘違いしまくっていて、自分のことをめっちゃ仕事が出来る書店員だと思ってたの、いやマジで(笑)。だけど、異動先の店では、やっぱりその店の身の丈でしか売り上げを上げられない訳じゃん。
「なんだ、俺が凄いから売れてると思ってたけど、あれ全部、俺の実力じゃなくて店の集客力じゃんか」
って、その時気付いた。あの経験は、今思えばありがたい。

兼田
では、10年前のその日が、沢田さんの「独立記念日」かもしれないですね。

沢田
一つのきっかけだったことは確かですね。井上さんには、そういう経験ある?

井上
大学進学で上京した時だと思います。これまで住んできた場所や人間関係と関わりを絶つということではなく、新しい世界で自分なりに頑張ってみよう! と前を向いていたと思います。

沢田
確かに、実家を出るってのは、否応無く「独立」につながるよね。兼田さんは?

兼田
まだ、しっかりとした「独立記念日」といえる日はないですが、ターニングポイントといえる日は、高校生のときの夏の甲子園予選で大敗した時ですかね。

井上
大敗ですか?

兼田
小さいころから野球をやってきて、それこそ、毎晩素振りして、実家が農家だったので、雨の日も農機具倉庫とかで素振りして頑張ってきたんですけど、あっさり負けてしまいました。対戦相手も、当時の甲子園常連校で「ミラクル宇部商」とか呼ばれていた宇部商業高校で。

沢田
おぉ、宇部商! 門外漢の俺でも名前は知ってるぞ。

兼田
「なぁに、相手も同じ高校生」と思って臨みましたが、実際は、圧倒的な力の差を感じました。「えー、あのコースをそこに打っちゃうの!?」みたいな。世界の広さを見せつけられた感じでした。

沢田
そんなに違うもんなんだ!?

兼田
ええ、そりゃあもう。次元が違いました。

井上
それまでの練習を頑張っていた人ほど、キツいと言うか、傷ついちゃいそうですね。

兼田
確かに負けて悔しいのは悔しいんですが、妙に吹っ切れたというか、一区切りついたな、と実感したんです。当時の仲間と会うと、その時の話は出ますし、今ではいい思い出ですね。

沢田
なるほど、負けた相手が宇部商なら、胸張って言えるもんね。

井上
「大敗」みたいな嬉しくない出来事も、独立のきっかけになるんですね。

沢田
ならば、今後、例えば「今年は○○から独立しよう」みたいなことは、あったりします?

井上

どういうことですか?

沢田
例えばおいら、「ランキング」とか「点数」から独立しようと思ってるの。

井上
ますます、どういうことですか(笑)?

沢田
いや、「ランキングとか点数とかでしか評価出来ないのって、つまらんな」と思ってさ。仕事柄ある程度は関わらざるを得ないけど、自分が見たいもの、食べたいもの、行きたいとこ、そんなことぐらい他人の価値観ではなく自分で決めよう、と。

井上
確かに、本だけでなく食べ物でも映画でも、ランキング1位のものが必ずしも自分に合ってるとは限りませんよね。

兼田
私は、独身生活から独立しよう! ですかね。独身なんだから独立してるじゃん! とも思えますが、一人だと甘えてしまう部分もありますので、誰かのために、との思いを持って、その思いで以って、自らを律したいなーと。

沢田
自分の意志だけでどうにかなる問題でもないから、大変だ(笑)。

井上
実はもう、意中の人がいたりして(笑)。

沢田
そういう井上さんの「独立」は?

井上
私は、当たり前からの独立! ですね。毎日当たり前のように過ごしていますが、いつ変化が訪れるかわからないということに、『独立記念日』を読んで改めて気づいたので、一日一日を大切に頑張りたいなと思います!

兼田
一日一日を大切にっていうのは、簡単ではなさそうですけど素敵な目標ですね。

沢田
そんな訳で、長々と語って参りましたが、最後に一つ。『独立記念日』にキャッチコピーをつけるとしたら?

井上
「新たな一歩を踏み出せる一冊」とか。

沢田
うん、やっぱそういう方向だよね。俺は「すぐそばにある幸せを、見落としている人たちへ」って感じかなぁ。

兼田
「昨日に負けないで。明日を信じて」ですかね。

沢田
昨日に負けないって、いいね。

兼田
負けないっていうのは、もっと掘り下げて言えば、「とらわれないで」という意味ですかね。人生、勝ちっぱなしっていう人は、ほとんどいないでしょうから。負けを経験したことのない人は皆無だと思います。でも、その「負け」から何を学び、どう立ち上がって歩んでいくかの方が大切ですし、難しいことですから。

沢田
何を以って「負け」とするかも、考え方次第で大きく変わりそうだしね。

井上
逆に「負け」から学んで前進出来れば、それはもう「負け」ではない、とも言えそうですね。

沢田
お、深い。メモっていい(笑)?



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by dokusho-biyori | 2016-11-09 09:38 | 開催中フェア | Comments(0)

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by dokusho-biyori | 2014-08-14 00:18 | 開催中フェア | Comments(0)