読書日和

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「読書日和」備忘録

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一行怪談

PHP文芸文庫から
という、薄めの新刊が出ている……ということを
名古屋の七五書店さんのブログで知ったんだが。




で、早速自店の売り場で内容を確認してみると、や、や、や、確かに怖い。
っていうか、薄気味悪い。一瞬考えて、意味が解った途端、背筋がゾワッと。
中には、どうしても意味が解らないものもあるんだが、
一編が一文、行数でせいぜい4~5行だから、
解らないのは気にせず飛ばして次々とページをめくっていける。
ゾワ~ッとなったやつは、つい誰かに読ませたくなる。
という訳で、幾つか引用してみましょう。

【今まさに電車が迫る線路上に、
物欲しげな目つきの人々が立っていたので、
踏み切りに身を投げるのは止めにした。】


これなんかは、比較的解り易い方ではなかろうか。視覚的に怖いのは、例えば

【ある朝目覚めると、全ての家具に嚙み跡がついていた。】

でも、本当に怖いのは、すぐには意味が解らないやつ。例えば

【寝る時に必ず、洗濯機を回し続けることだけは忘れないよう願いますが、
それさえ守ればたいへんお得な物件だと思いますよ。】


えっ? なんでなんで? 洗濯機を回さなかったらどうなるの?
俺にはそれは解らないんだけど、解らないからこそ怖い。
とにかく、強制的に想像力をかきたてられる、とでも言いますか。

その最たるものが、こちら。

【雨ふきつけ過ぎゆくバスの、
笑い合う母子が座る曇り窓になぞられた、
〝たすけて〟という鑑文字。】


とまぁこんな感じの「怪談」が全部で何個あるんだろう。100じゃきかないと思う。
文庫売り場でドーンと積んでいるので、御用とお急ぎでない方はお手に取ってお確かめを。
きっと背筋が粟立って、その後、誰かに話したくなりますよ。























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by dokusho-biyori | 2017-07-16 15:10 | サワダのひとりごと | Comments(0)