読書日和

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「読書日和」備忘録

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つまづく話

唐突な話題ではありますが、『ドラえもん』に「45年後……」という短編があります(てんとう虫コミックス『ドラえもんプラス5巻』)。

読んで字の如く、45年後ののび太が子ども時代を懐かしんで、現在ののび太のところにタイムマシンでやって来る話です。で、いつもの通りすったもんだの一日が過ぎて、オッサンのび太が未来に帰っていく場面。久し振りに童心に返って遊びまくったオッサンのび太が、お礼に宿題でも手伝おうかと申し出ると、コドモのび太は自分でやるからいいと、断ります。オッサンはすかさず「さすがはぼくだ!」と妙な誉め方をした後にこう続けます。

「一つだけ教えておこう。きみはこれからも何度もつまづく。でも、そのたびに立ち直る強さも、もってるんだよ」

未来の自分に言われるんだから、これほど確かな事は無い。そこでだ。僕らも、過去の自分に向かってならば、「そのたびに立ち直る強さも、もってるんだよ」と言い切れる訳で、だとすると、未来の僕らもきっと、今現在の僕らに向かって同じセリフを言えるんじゃないかなぁ……などと想像をふくらませたくなる訳です。

なぜこんなことを言い出したかと言うと、中山智幸さんの『暗号のポラリス』が素晴らし過ぎて3回、4回と通読を繰り返してる内に、ふとドラえもんの上記の話を思い出したのです。『暗号のポラリス』も、つまづきまくった小学生が懸命に起き上がり、再び歩き出す物語です。「散々迷っていたけれど、遂に北極星を見つけたよ」とでも言いたげなラストシーンでは、主人公のユノ少年に精一杯のスタンディングオベーションを贈らずにはいられません。

多分この小説は、これからも何度も何度も読み返す作品になると思う。

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by dokusho-biyori | 2015-12-09 22:16 | サワダのひとりごと | Comments(0)