読書日和

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俺は絶対探偵に向いてない

あのへなちょこ旅行作家・さくら剛の初めての小説
『俺は絶対探偵に向いてない』
が文庫になって発売されたでござる!
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世間知らずで甘ったれで彼女いない歴25年で友達も殆どいなくてそのくせ自尊心だけは人一倍の25歳のニート青年が、運命のいたずらで意思とは無関係にとある探偵事務所に就職してしまい、スパルタな先輩たちから炸裂的にしごかれながら、探偵業のイロハを学んでいく、という青春成長探偵小説。

くどいようだけど、あの「さくら剛」の文章だからね、まず第一にとにかく笑える。ウルトラ腰砕け的に笑える。だけど、本書の魅力はそれだけではなく、きちんと探偵小説になっている。一丁前の探偵小説の如くハラハラドキドキさせられるし、悪者を見事やっつけるその手腕には「ナルホド!」と思わず膝を打って喝采したくなる。

更に。これが何よりも驚きだったんだけど、職場の仲間意識っつーか連帯感っつーか、そういう感情を行間に溶かし込むのが実に巧みで、くやしいけど結構ジ~ンと熱くなったりもした。いや、まじまじ。かなり乱暴な喩え方になるけど、ドン・ウィンズロウの『ストリート・キッズ』の主人公を、めっちゃ情けなく頼りなくバカバカしくしたら、こんな探偵小説になるんじゃなかろうか。え? いや誉めてるつもりだよ勿論。

さくら剛の作品は、デビュー作『インドなんて二度と行くか!ボケ!! …でもまた行きたいかも』以来ずーっと読み続けているぐらい好きだけど、もしかしたらこの人、小説の方が向いてるんじゃないか!? と本気で思うぐらい夢中になって、初読の時はあっと言う間に読了した。おかしくってバカらしくってスリリングで温かい、こんな探偵小説はめったにお目にかかれない! この文庫化を機に、是非!





















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by dokusho-biyori | 2015-11-12 21:53 | サワダのひとりごと | Comments(0)