2014年 10月 31日
14年11月 後編
⇒前編から続く
短期集中連載
『世界一の本の町 神保町の歩き方
~超初心者向け』1.
どんなに近場だって旅はできるのだ。
なにも高級ホテルに泊まったり、世界遺産を見たり、人であふれかえるパワースポットにたたずんだりすることだけが旅ではない。というかむしろそれは旅ではない。〝 観光 〟 と言います。
いつもよりも、少しだけ感性の毛穴を開いて、目で見て、耳で聞いて、舌で味わって何を感じたか。そういうものを心のアルバムに丁寧におさめてゆくのが旅だとわたしは思っている。
だからいつだってどこだって旅はできるのだ。
旅に出るときは、気持ちが所在なくふわふわし、これからおこるすべてのことを目に焼き付け、耳に残すための準備をからだがしはじめる。
そして意味もなくにやにやする。意味もなくうれしくなる。
歌もうたう。
行き先は 神保町
本の街 神保町
(サイレンナ~イ ホーリーナ~イ)
えっ、旅って神保町かよって?
そうです。目と鼻の先神保町です。ほんと近くてごめん。
本の街「神保町」というと本好きたちの聖地であり、当然わたしも強いあこがれを持ってあがめ奉っているホーリープレイスだ。
いつかこの町を我が物顔で歩き、あ、ここの餃子おいしいのよ。そう、みんなカレー屋に行きたがるけどねぇ。正直もうあきたっていうかー・・・などと知った風に言ってみたいぢゃーないか。
しかし、実際は目と鼻の先といえどわたくし数えるほどしか行ったことがなく、行っても、やたらめったら適当に入ったり、入れなかったり(入りづらい・・・)するもんだから、店も道も覚えられないったら。
結局いつも駅周辺で何件か見て、力つきてしまう場所なのだ。
そんなわたしを見かねた、本の雑誌社の泣く子も黙る炎の営業、杉江由次氏がなんとこのたび仕事をほって神保町を案内してくれるという!
なんと! こんな郊外の一書店員のために、一日費やしてくれるなんて、どこまでやさしいのでしょう!!
と、つい感動しそうになってしまうのだが、実はうちの上司・沢田と杉江氏が、今度本の雑誌社から出る新刊『古本屋ツアー・イン・神保町』について話しているときに、実際にやってみたらいいじゃん。神保町ツアー! それおもしろそうじゃーん! そんでコラムでも書いたらいいじゃーん! と言い出し、いたってかるーいノリでやりましょうやりましょうということになったのだった。
そして、わたしも同じくいたってかるーい人間なので、わーいわーいと乗っかったというわけでこの日をむかえたのである。
さてまずは神保町のメッカ、本好きならば知らない人はいない老舗名店「東京堂」さん・・・・・・の裏手にある本の雑誌社に向かうのである。
はじめて行ったのだけど迷わず着いた。看板らしきものも何もなかったのだが、5Fまであがると本の雑誌社と書かれた扉が奥に。
ちょっとどきどきしてたから、ここでほっとする。
ノックをするとさっそく杉江氏の声が。さらにほっとする。
ほほえむ杉江氏
わぁ、ここが出版社さんかぁ。
ここで椎名さんや沢野さんが・・・などと妄想。(実際は2年前に本社をお引っ越しされているのできっと関係ないと思うのですが勝手に妄想)。
中は数人の社員さんが働いており、みなさん笑顔で歓迎してくれる。
『本の雑誌』にたびたび登場するMさんのお姿も見られ、あーあのひと! と内心きゃぴきゃぴする。
社長さんがご不在とのことで、みなさんどこかのびのび・・・あ、いやきっといつも通り楽しそうに仕事をされていた・・・と思う。
さて、杉江氏が神保町の地図を用意していてくれた。
見るだけでわくわく度MAX。
事前にチェックしておいてくれたらしく、ところどころ書き込みが入っている。〝 建築書 〟 とか、〝 2Fカフェ気持ちいい 〟 とか 〝 入りにくい 〟 とか 〝 入りにくい1位 〟 とか!
さすがなのである。わたしは幸い地図は読めるほうである(自称)ので、これがあれば次回以降迷わず意中の店にたどり着けるではないか。
そういえば地図って見てるだけて、胸がはずむ。
特に小さな街の観光ガイド。細かい書き込みがたくさんされていて、独自の視点も見つかるし、書き込むこともできる。
後で自分の記憶におさめる際にも、色鮮やかに思い出をよみがえらせてくれる。近場でも旅はできるけれど、旅に地図は必需品だなということを、このときわたしは杉江氏から学んだ。
永久保存版だコレ。
好きな本の話など話しながら、じゃあこことこことあそこに行きましょうとてきぱきと決める男・杉江氏。
かっこいい~! さすが庭! わたしはこうなりたいのである。目標・杉江氏!
いざゆかん、本の宝に埋もれた桃源郷 魅惑の神保町へしゅっぱーつ!
やれやれやっとはじまった。つづく(酒井七海)
(*`▽´*) (∩.∩) ┐(´ー)┌ (*´∀`) (*`▽´*) (∩.∩) ┐(´ー)┌ (*´∀`)
以下、出版情報は『読書日和 11月号』製作時のもです。タイトル、価格、発売日など変更になっているかも知れませんので、ご注意ください。
酒井七海の「きょうの音楽」
編集後記
連載四コマ「本屋日和」
短期集中連載
『世界一の本の町 神保町の歩き方
~超初心者向け』1.
どんなに近場だって旅はできるのだ。
なにも高級ホテルに泊まったり、世界遺産を見たり、人であふれかえるパワースポットにたたずんだりすることだけが旅ではない。というかむしろそれは旅ではない。〝 観光 〟 と言います。
いつもよりも、少しだけ感性の毛穴を開いて、目で見て、耳で聞いて、舌で味わって何を感じたか。そういうものを心のアルバムに丁寧におさめてゆくのが旅だとわたしは思っている。
だからいつだってどこだって旅はできるのだ。
旅に出るときは、気持ちが所在なくふわふわし、これからおこるすべてのことを目に焼き付け、耳に残すための準備をからだがしはじめる。
そして意味もなくにやにやする。意味もなくうれしくなる。
歌もうたう。
行き先は 神保町
本の街 神保町
(サイレンナ~イ ホーリーナ~イ)
えっ、旅って神保町かよって?
そうです。目と鼻の先神保町です。ほんと近くてごめん。
本の街「神保町」というと本好きたちの聖地であり、当然わたしも強いあこがれを持ってあがめ奉っているホーリープレイスだ。
いつかこの町を我が物顔で歩き、あ、ここの餃子おいしいのよ。そう、みんなカレー屋に行きたがるけどねぇ。正直もうあきたっていうかー・・・などと知った風に言ってみたいぢゃーないか。
しかし、実際は目と鼻の先といえどわたくし数えるほどしか行ったことがなく、行っても、やたらめったら適当に入ったり、入れなかったり(入りづらい・・・)するもんだから、店も道も覚えられないったら。
結局いつも駅周辺で何件か見て、力つきてしまう場所なのだ。
そんなわたしを見かねた、本の雑誌社の泣く子も黙る炎の営業、杉江由次氏がなんとこのたび仕事をほって神保町を案内してくれるという!
なんと! こんな郊外の一書店員のために、一日費やしてくれるなんて、どこまでやさしいのでしょう!!
と、つい感動しそうになってしまうのだが、実はうちの上司・沢田と杉江氏が、今度本の雑誌社から出る新刊『古本屋ツアー・イン・神保町』について話しているときに、実際にやってみたらいいじゃん。神保町ツアー! それおもしろそうじゃーん! そんでコラムでも書いたらいいじゃーん! と言い出し、いたってかるーいノリでやりましょうやりましょうということになったのだった。
そして、わたしも同じくいたってかるーい人間なので、わーいわーいと乗っかったというわけでこの日をむかえたのである。
さてまずは神保町のメッカ、本好きならば知らない人はいない老舗名店「東京堂」さん・・・・・・の裏手にある本の雑誌社に向かうのである。
はじめて行ったのだけど迷わず着いた。看板らしきものも何もなかったのだが、5Fまであがると本の雑誌社と書かれた扉が奥に。
ちょっとどきどきしてたから、ここでほっとする。
ノックをするとさっそく杉江氏の声が。さらにほっとする。
ほほえむ杉江氏
わぁ、ここが出版社さんかぁ。
ここで椎名さんや沢野さんが・・・などと妄想。(実際は2年前に本社をお引っ越しされているのできっと関係ないと思うのですが勝手に妄想)。
中は数人の社員さんが働いており、みなさん笑顔で歓迎してくれる。
『本の雑誌』にたびたび登場するMさんのお姿も見られ、あーあのひと! と内心きゃぴきゃぴする。
社長さんがご不在とのことで、みなさんどこかのびのび・・・あ、いやきっといつも通り楽しそうに仕事をされていた・・・と思う。
さて、杉江氏が神保町の地図を用意していてくれた。
見るだけでわくわく度MAX。
事前にチェックしておいてくれたらしく、ところどころ書き込みが入っている。〝 建築書 〟 とか、〝 2Fカフェ気持ちいい 〟 とか 〝 入りにくい 〟 とか 〝 入りにくい1位 〟 とか!
さすがなのである。わたしは幸い地図は読めるほうである(自称)ので、これがあれば次回以降迷わず意中の店にたどり着けるではないか。
そういえば地図って見てるだけて、胸がはずむ。
特に小さな街の観光ガイド。細かい書き込みがたくさんされていて、独自の視点も見つかるし、書き込むこともできる。
後で自分の記憶におさめる際にも、色鮮やかに思い出をよみがえらせてくれる。近場でも旅はできるけれど、旅に地図は必需品だなということを、このときわたしは杉江氏から学んだ。
永久保存版だコレ。
好きな本の話など話しながら、じゃあこことこことあそこに行きましょうとてきぱきと決める男・杉江氏。
かっこいい~! さすが庭! わたしはこうなりたいのである。目標・杉江氏!
いざゆかん、本の宝に埋もれた桃源郷 魅惑の神保町へしゅっぱーつ!
やれやれやっとはじまった。つづく(酒井七海)
(*`▽´*) (∩.∩) ┐(´ー)┌ (*´∀`) (*`▽´*) (∩.∩) ┐(´ー)┌ (*´∀`)
以下、出版情報は『読書日和 11月号』製作時のもです。タイトル、価格、発売日など変更になっているかも知れませんので、ご注意ください。
酒井七海の「きょうの音楽」
編集後記
連載四コマ「本屋日和」
by dokusho-biyori
| 2014-10-31 15:07
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